マタイ12章15-32節「神の御霊によって、もう神の国は来ている」

2020年9月13日

イエスの時代の多くの人々が期待していた救いとは、「国々よ、御民のために喜び歌え。主がご自分のしもべの血に報復し、ご自分の敵に復讐を遂げて、ご自分の民とその地のために宥めを行われる」(申命記32:43) というようなものでした。それはしばしば、神がローマ帝国に復讐し、ダビデ王国を再建するというように理解されました。 “マタイ12章15-32節「神の御霊によって、もう神の国は来ている」” の続きを読む

マタイ12章1〜14節「安息日……真のよろこびの回復」

2020年8月16日

「どうしても心が満たされない人たち」という題の本の中に、「苦悩の75%は自分で作り出したもので、それは避け難い25%の苦悩を取り除こうとすることから派生する」とありました。 “マタイ12章1〜14節「安息日……真のよろこびの回復」” の続きを読む

マタイ11章16〜30節「人々の期待から自由に生きる」

2020年8月2日

多くの日本人は、「敬虔なクリスチャン」ということばにあるイメージを重ねます。その枠の中にはたぶん株式投資を勧める営業マンは入らないことでしょう。その後、僕は牧師への召しを受けながら、自分の中にある神経症的な不安感を受け入れられずに悩んでいました。柔和で平安な雰囲気を醸し出す牧師像にはとうていふさわしくないと思ったからです。しかし、今は、そのように人々の期待に沿うことができることの虚しさを思わされます。イエスでさえ、「大食いの大酒飲み」と呼ばれました。それは当時の人々の期待を裏切る自由な振舞いの結果でした。しかし、そこにこそ、人々の常識を覆す、真の自由があります。 “マタイ11章16〜30節「人々の期待から自由に生きる」” の続きを読む

マタイ11章1〜15節「新しい創造の中に生かされる恵み」

2020年7月12日

バプテスマのヨハネはヨルダン川で「悔い改めのバプテスマ」を授けていました。それはかつてモーセヨシュアに導かれたイスラエルの民が、約束の地に入って「神の国」を建てるはずであったという原点に人々を立ち返らせるためでした。 “マタイ11章1〜15節「新しい創造の中に生かされる恵み」” の続きを読む

マタイ10章24〜42節「神の真実に信頼する真実な歩み」

2020年6月28日

日本最古の道徳規範として西暦604年に聖徳太子が作ったと言われる十七条の憲法があります。その第一条は「和を以って貴しと爲し、忤(さから)ふこと無きを宗と爲す」です。そして第十七条は、「それ事は独り断(さだ)むべからず、必ず衆とともに宜しく論(あげつら)ふべし」と記されています。 “マタイ10章24〜42節「神の真実に信頼する真実な歩み」” の続きを読む

マタイ10章5〜23節「天の御国を今この地に」

2020年6月14日

「神がおられるなら、どうしてこんなことが許されるのだろう」ということが、ときに「キリストの教会」の中でさえ起きることがあります。しかし、周りにいる人々も私たちもそれぞれ固有の痛みや不安を抱えて生きながらも、神の導きの中で問題のただ中に置かれるとき、そこに痛みと同時に、様々な恵みと新たな愛の交わりを体験することができます。 “マタイ10章5〜23節「天の御国を今この地に」” の続きを読む

マタイ9章27節~10章4節「真の羊飼いとしてのダビデの子」

2020年5月24日

イエスの時代のイスラエルの民は、自分たちを苦しめているのはローマ帝国だと教えられてきました。しかし、一般民衆を苦しめていたのは誰よりも、当時の宗教指導者であったという見方があります。

土地を持たないはずのレビ人たちが大地主になり、民の十分の一献金ばかりか小作料によって肥え太っていました。それはエゼキエル34章に描かれていた「自分を養っているイスラエルの牧者たち」の再来でした。 “マタイ9章27節~10章4節「真の羊飼いとしてのダビデの子」” の続きを読む

マタイ9章14〜26節「はちきれるいのちを与えるイエス」

2020年4月26日

三千数百年前に記された聖書には驚くほど詳細な感染症対策が記されています。その代表としてハンセン病との類比性が見られるツァラアトがありましたが、当時に、死体に触れることや出血性疾患との分離規定がありました。そして社会的には、ローマ帝国の支配を正当化する取税人のような人間との分離が強く勧められました。 “マタイ9章14〜26節「はちきれるいのちを与えるイエス」” の続きを読む

マタイ9章1〜13節「わたしが喜びとするのは真実の愛」

2020年4月5日

現代のコロナウィルスの悲劇の中で私たちは、「さあ、主 (ヤハウェ) に立ち返ろう。主は私たちを引き裂いたが、また、いやし、私たちを打ったが、また、包んでくださるからだ。主は二日の後、私たちを生き返らせ、三日目に私たちを立ち上がらせる (After two days he will revive us; on the third day he will raise us up, that we may live before him)」(ホセア6:1) と告白することができます。 “マタイ9章1〜13節「わたしが喜びとするのは真実の愛」” の続きを読む

マタイ8章18〜34節「イエスのご支配の中で愛を学ぶ」

2020年3月22日

世界的なウィルスの蔓延を見ても、身近な人々が感染しない限り大きなショックを受けることがないかもしれません。ただ今後の景気の先行指標とも言える株価の大暴落は、今の危機が、一人ひとりの生活に直結していることを示しています。株に無縁な階層こそが、誰よりも苦しみます。

世界は恐ろしいほどに不安定なのです。しかし、それは創造主のご支配が全世界を隅々に及ぶことを覚える契機でもあります。 “マタイ8章18〜34節「イエスのご支配の中で愛を学ぶ」” の続きを読む