ホセア4章1節〜6章3節「主を知ることを切に追い求めよう」

2012年11月18日

私は昔、浄土真宗に興味を持ったことがあります。その開祖親鸞は、自分の心の醜さや弱さに正面から向き合った結果、自分の修行の力によって悟りを開くことは無理であるということに気づき、ただ御仏のあわれみにすがるしかないという結論に達しました。その際、どんな罪人をも救ってくださる方が、阿弥陀仏として紹介されます。しかし、その方は歴史上の人物としては記録されてはいませんし、どのような方であるかもほとんど分かりません。浄土真宗では阿弥陀仏の実在性よりも、私たちのうちに救いを求める心が芽生えていること自体が大切なのだと説かれます。 “ホセア4章1節〜6章3節「主を知ることを切に追い求めよう」” の続きを読む

マルコ12章35〜44節「神の救いはあらゆる常識を超えている」

2012年10月28日

イエスの時代の宗教指導者たちは、一様に、「神の国」の実現を待ち望んでいました。それは目に見えるダビデ王国の再興のときでした。律法学者たちは指導者たちの中でも、特に、目に見えない神のご支配や復活のいのちということに目を向けていました。ただ、その際、主を愛する者に主は「祝福」を与え、主の御声に従わない者には「のろい」が与えられるという趣旨の教えを、あまりにも短絡的にとらえていました。 “マルコ12章35〜44節「神の救いはあらゆる常識を超えている」” の続きを読む

箴言25章1〜11節、16〜22節、28節「わからない世界で生きる」

2012年10月14日

日本の電車の時刻の正確さは、世界に誇ることができるものです。私たちはどこに行くのにも、あらかじめ乗り継ぎ時間を調べながら、自分の時間を事前に管理できます。私の場合も、神経症的な性格のせいか、いろんなことを予定通りに進めたいと思います。そして、ある程度、それができます。毎週、「もう、無理……」と、思いながらも、きちんとメッセージの原稿は仕上がり、出版社には期限通りに依頼された記事をお送りしています。 “箴言25章1〜11節、16〜22節、28節「わからない世界で生きる」” の続きを読む

マルコ12章18〜34節「原点に立ち返る」

2012年10月7日

広島の平和公園の原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい。もう過ちは、繰り返しませぬから」と記されています。これは、まさに日本語らしい文章で、過ちを繰り返さないと誓っているのが誰かがぼかされている文章とも言われます。しかし、それはひとりひとりが静かに、戦争の原点に立ち返るきっかけを与える名文ではないでしょうか。 “マルコ12章18〜34節「原点に立ち返る」” の続きを読む

詩篇109篇「恨みから自由になるための祈り」

2012年9月23日

今まで数えきれないほど多くの人々の相談に載ってきましたが、その中で、非常に多いのは、怒りの気持ちの処理の問題です。しかも、それはクリスチャンの場合に特に大きな問題になります。なぜなら、彼らは、「あなたがたを迫害する者を祝福しなさい。祝福すべきであって、のろってはいけません」(ローマ12:14)というみことばを知り、かえって、自分に不当な仕打ちをした人を憎んでいる自分を責めてしまうからです。 “詩篇109篇「恨みから自由になるための祈り」” の続きを読む

マルコ12章13〜17節「あれか、これか、を超えた神の視点」

2012年9月16日

私たちの世界ではしばしば、明確な対立軸を作りながら人々の心をまとめて権力を掌握し、変革を成し遂げるという手法が用いられます。しかし、根底に争いと憎しみを駆り立てる論理があることは次の問題を生み出す種となります。 “マルコ12章13〜17節「あれか、これか、を超えた神の視点」” の続きを読む

詩篇91篇「危険に満ちた人生の中で」

2012年9月2日

私たちの人生は、日々、いろんな危険に満ちています。そのような中で、不安な要素を一つひとつ数え上げると、外に出ることさえできなくなるかもしれません。事故で首から下が動かなくなった星野富弘さんは、以下のような詩を、きびしい自然の中で育つ美しい紫色の花を咲かせる高山植物の「おだまき」の絵とともに記しています。 “詩篇91篇「危険に満ちた人生の中で」” の続きを読む

マルコ12章1〜12節「真の王を忘れた国の悲劇」

2012年8月19日

すべての国は、内側から滅びると言われます。日本が第二次大戦の始めた無謀さも確かに問題なのですが、誰も目にも敗北が明らかになりながら、戦争を終結させる指導力が日本の政治になかったということが、東京大空襲ばかりか二度の原爆投下を招いた原因とも言えましょう。誰のために政治権力を与えられているかを忘れた指導者が国を治めていた悲劇です。 “マルコ12章1〜12節「真の王を忘れた国の悲劇」” の続きを読む