詩篇100篇

カミュの「ペスト」には、感染症が終息して行く時期の、希望を持つこと自体に疲れてしまっているという倦怠感と同時に、心の底に「大きな希望が波立っていた」という心の揺れが描かれています。私自身の中にも同じような心の揺れがあります。

私たちはこの時期、全能の創造主の御手の中にある揺るがない希望を思い起こしながら、同時に、目の前の危険に目を開き、冷静に一つ一つの課題に対処して行きたいものだと思わされています。
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詩篇4篇

政府の緊急事態宣言の解除の方向が見えて来ていますが、すぐに「ハレルヤ、感謝します!問題は解決しました」という雰囲気は期待できそうもありません。

昨日も、ドイツのメルケル首相は、「われわれの目標は、最初から、ウィルスの拡散を止めることではなく、拡散速度を遅くすることであった。引き続き、爆発的な感染の広がりに注意をする必要がある」と訴えていました。要するに、危険と隣り合わせに生きるようにという勧めです。それはまさに詩篇の世界の生き方です。 “詩篇4篇” の続きを読む

Laudate Dominum (Mozart)〜詩篇117篇

今日は詩篇集の中で最も短い117篇です。以下の通りです(私訳)

ほめたたえよ、主 (ヤハウェ) を すべての国々よ。 (1)

この方を称賛せよほめ歌え すべての国民くにたみよ。

それは、主の慈愛(恵み)は私たちの上に大きく (2)

主 (ヤハウェ) の真実まことは、永遠なのだから。

ほめたたえよ 主 (ヤハ) を (ヘブル語では「ハレルヤ」)。 “Laudate Dominum (Mozart)〜詩篇117篇” の続きを読む

ロード・オブ・ザ・リングの主題歌〜詩篇95篇

僕は今、ヘブル書の解説の本の仕上げのために毎日教会に籠っています。

ヘブル書では詩篇95篇が重要な意味を持っています。ヘブル1章では、神の御子が、父なる神とともに世界を創造され、今、王として世界を治めておられることが記されます。 “ロード・オブ・ザ・リングの主題歌〜詩篇95篇” の続きを読む

十字架と復活・メンデルスゾーンの合唱曲〜詩篇22篇

イエスは十字架で、「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」と叫ばれました。私は最初、この叫びに戸惑いを覚えていましたが、やがてこれが詩篇22篇の冒頭のことばであるということがわかり、この詩篇全体からその意味を考えたときに、「イエスは見捨てられた者の仲間となってくださったのだ……」という感動が湧き起こりました。僕は小さい頃から、仲間外れにされることを極度に恐れてきました。それは自分だけの問題かと思ったら、「見捨てられ不安」というのは日本人全体の課題なのだということが分かりました。 “十字架と復活・メンデルスゾーンの合唱曲〜詩篇22篇” の続きを読む

メルケル首相〜詩篇147篇

最近、ドイツでの感染症対策が話題になっています。日本よりははるかに多くの死者数が出ていますが、隣国のフランスやイタリアに比べたら死者数は約四分の一にとどまり、感染者の死亡率も驚くほど低い水準に留まっています。

最近、メルケル首相の記者会見の動画をよく見ます。政治にはいろんな側面がありますから、それを全面的に賞賛することには注意が必要です。 “メルケル首相〜詩篇147篇” の続きを読む

ヘブル語のリズム〜詩篇23篇

今朝、自宅から教会に向かって30分あまりを歩きながら、詩篇23篇をヘブル語で口ずさんできました。昔、これをヘブル語で暗唱できるようになったら自分の信仰も、もっとシャキッとするかと思い、頑張って覚えました。でも覚えても、変わりはしませんでした。やはり慣れ親しんだ日本語でないと、心の奥には届かないのかと思います。 “ヘブル語のリズム〜詩篇23篇” の続きを読む