しかし、ドイツの現代の有名な哲学者 マルクス・ガブリエル氏が、「メルケルは倫理的に正しいことをする代表人物です。……メルケルはドイツ史上最高の首相、いや政治家かもしれません……それは……未来を見据えて倫理的な決断をしたからです」と記しています。
今回分かったのは、彼女は26年前から地球温暖化の問題に取り組んでいました。環境大臣として最初の国際会議に出席したときからだそうです。これほど長く同じ問題に、現実の経済を見ながら忍耐を持って取り組んだことは感動的です。
それと16年間の政権の中で、何よりも苦労し、心を痛めて来たのは難民問題であったと語っていました。
そして今、アフガニスタンで女性の人権が歪められていることに大きな危機感を抱いています。
また国際政治におけるドイツの発言力を保つことの大切さをも理解し、その点で次期首相に期待できるとも語っていました。政治的には対立関係にありますが、次期首相はメルケル政権で長らく財務大臣を続けてきましたから……
政治的な見解の違い、意見の対立を忍耐を持って対話し続けた姿勢は後代の人々からも尊敬を集めることでしょう。米国の前トランプ大統領ともはっきりと向き合ってくれました。
ドイツ語のままですみませんが、表情だけでもご覧いただければ幸いです。初めの方に、26年前の環境大臣の時の写真も出てきます。
彼女が最初に、「私は自分の仕事を喜んで行ってきた」というのは感動的でした。最後の仕事としてのフランス訪問を楽しみにしているとも語っていました。
前回も紹介しましたが、私たちの倫理的な生き方に関してミカ書は次のように語っています。メルケル首相も幼少時、父親の牧師からこのことばを教え込まれていたことと思います
主はあなたに告げられた。
人よ、何が良いことなのか、
主があなたに何を求めておられるかを。
それは、ただ公正を行い、誠実を愛し、へりくだって、
あなたの神とともに歩むことではないか。
ミカ6:8