豪雨やウィルス感染拡大と不安な日々が続きますが、いかがお過ごしでしょう。何かご心配なこと等をお分かちくだされば幸いです。お一人ひとりのことを覚えてお祈り申しております。
友人から紹介されて英国の神学者 と今回のコロナウィルスワクチン開発の最前線にいる科学者 のごく最近の対談を見ました。1時間ぐらいのものですが、素人にもわかる内容で、英語もそれほど難しくありません。下記でご覧いただけます
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最近、米国ヒトゲノム研究所の所長であったフランシス・コリンズという大統領自由勲章を受章した科学者が、どうしてイエスを自分の救い主と信じるようになったかの証しを聞きました。
彼はDNAの研究が大好きな無神論者の研修医でしたが、多くのクリスチャンが不治の病にかかりながら、平安のうちに人生を終えられることに驚いていました。あるとき死を目前にした若い女性の証しを聞き、その後、彼女が「ところで、先生は何を信じていらっしゃるのですか？」と聞かれました。
彼は､「神がおられるか？」｢その神は私に関心を持っておられるのか？」｢自分は死んだ後どうなるのか？」などという基本的な問いを回避してきたことに気づかされます。
そして、 の「キリスト教の精髄」を読んで、無神論であることの不合理性に気づかされ、さらにイエスが私の罪のために死んでくださったということが心の迫ってきたとのことです。
N･T･ライトは、学生時代から非常に伝道熱心な方でしたが、しばしば福音的な神学者があまりにもこの世界を否定的に見過ぎることに疑問を持ち、聖書全体から、この世界に現わされている神のみわざを積極的に認めることを提唱しています。
コリンズとライトに共通することは、キリストの十字架の死と復活こそが歴史の転換点であったということを心の底から信じ、それが私たちの生き方を変えることを大胆に語り続けていることです。
コリンズは最近出版されたライトの「God and Pandemic」を読んで、今私たちが問われているのは、なぜ、このウィルス感染が起きたかを神学的に説明することよりも､「今、私たちは、何をするべきか」という問いに答えることであるという記述に感心したとのことです。ライトは、イエスが、このウィルス感染に際して、私たちとともに泣いておられるということを語り、今、私たちが第一にすべきことは「うめき、嘆く」ことであると言います (ﾛｰﾏ8:22-26)。そして、そこからキリストに倣った愛の行為が生まれると言います。
また、ローマ8章28節も私たちが何もしなくても神がすべてを共に働かせて万事を益としてくださるという意味ではなく、この核心は、神は、神を愛する人の働きをともに生かして、すべてを神の世界のために益とするようにともに用いてくださると解釈すべきであるとのことでした。
コリンズもライトも、神の絶対的なご支配を信じていますが、それと同時に、自分がウィルスの媒介者となって、人を感染させることがないように最大限の注意を払うことこそが、愛の行動であると強調します。
現在、各国で大切にされている人と人との距離を保つウィルス感染対策は極めて合理的なものであり、私たちが他の人を感染させないためにマスクを着用し、教会堂などで最大限の注意を払いながら、消毒作業を行うことを愛の行為として訴えています。
なお、コリンズ氏は米国のワクチン開発の最前線に立っている研究者です。彼によると通常のワクチン開発には5年から7年がかかりますが、それを5カ月から7カ月で終えようとしているとのことです。そして、米国では今年の年末までにワクチンを使うことができるようにするとのことです。その秘訣は、たとえば、現在7種類のワクチン開発が第三段階まで達していますが、その安全性が確認される前からワクチンの大量生産を始めるとのことです。もし、最終的な安全性が確認されなければ、それらはすべて廃棄されます。その経済的なリスクを負いながら、安全性が確認され次第、すぐにワクチンを流通させることができる備えをするとのことです。
このコロナウィルスがどのような形で収束するかはだれも分かりません。私たちがなすべきことは、最大の注意を払いながら、感染速度を遅くすることです。
ただ同時に、私たちはキリストの十字架と復活によって世界が変わったことを確信する必要があります。私たちは自分の死の可能性を恐れる必要はありません。私たちが恐れるべき最大のことは、私たち自身が感染の媒介者となってしまうことです。また、自分を通して他の人に絶望を与えてしまうことです。
今、私たちが積極的にできることが何か、それは何よりも祈ることです。そして、その結果示されたことを行動に移すことです。ただ、実際は、私たちにできることは限られています。しかし、自分たちのお金を有効に使って、困難の中に置かれている人を助けることはできます。
今、間もなくヘブル書の解説の本を出版していただく予定ですが、そのタイトルは「恐怖の奴隷状態からの解放者イエス｣（ヘブル人への手紙、私訳と解説）
中心聖句は「子たちがみな血と肉を持っているので、イエスもまた同じように、これらのものをお持ちになりました。それはご自分の死によって、死の力を持つ者、すなわち悪魔を、無力化するためであり、また、死の恐怖によって一生涯奴隷となっていた人々を解放するためでした」(2:14､15)。
私たちは、キリストにあって悪魔が無力化されたという中に生かされています。それは私たちには明確です。だからこそ、私たちはこの世の困難の中に向かって行くことができます。
それこそが、コリンズもライトも確信していることの中心です。
他のことは分からないことだらけです。私たちは目の前の不安の中で、ともに嘆き、ともにうめき、ここで何ができるかを神に問いかけます。
最後に詩篇131篇の以下の私訳を味わっていただければ幸いです。
詩篇131篇 交読文
都のぼりの歌 ダビデによる
主 (ﾔﾊｳｪ) よ。私のこころは 驕りません
また この目は 高ぶりません
さらに 私は 立ち入りません
自分に及びのつかない 大きなことや 不思議なことに。
その代わりに 私は 自分のたましいを
和らげ また 静めました。
乳離れした子が 母親のもとにいるかのように
このたましいは私のうちで 乳離れした子のようです。
イスラエルよ 待ち望め 主 (ﾔﾊｳｪ) を
このときから とこしえに至るまで。
