バングラデシュの働き紹介〜詩篇148篇

昨日の配信では詩篇148篇の私訳交読文とともにサウンド・オブ・ミュージックをご紹介しましたが、今日は引き続きこの箇所から アシジのフランシスコ のことまた「声なき者の友の輪」の働きなどをご紹介させていただきます。

13世紀初めのイタリア中部の自由都市アシジで活躍したフランシスコは、神が全世界を喜びのうちに創造したことをいつも思いながら、太陽を「私の兄弟」、月と星を「私の姉妹」と呼び続け、全被造物とともに主を賛美するという生き方を貫きました。

そこから Brother Sun Sister Moon という伝記映画や賛美歌75「ものみなこぞりて」が生まれます。その原点は3節で、太陽や月に向かって、「主をほめたたえよ」と命じることにあります。

4節の原文では「ほめたたえよ 主を 諸々の天の天よ」と、何層にもなっている天に向かって主をほめたたえるように訴えています。それはサタンが「空中の権威を持つ支配者」と呼ばれ、「天上にいるもろもろ悪霊」という表現もあるように、神に反抗する天の領域もあるからです (エペソ2:2、6:12)。

そこではさらに、「諸々の天の上にある水」に向かって「主をほめたたえよ」と訴えられます。ノアのときの大洪水は、「天の水門が開かれた」ことで起きたと描かれますが (創世記7:11)、それらの領域においても「主がほめたたえられる」ことが、この地上世界の営みが安全に守られ続けることの鍵であると考えられます。

さらに5節の原文では、「ほめたたえさせよ 主 (ヤハウェ) の御名を」と上記の天の万象すべてに向かって「させよ」という使役形で記されます。そしてその理由が、「この方が命じて それらは創造されたのだから」と記されます。

また6節2行目の「この方が定めを置かれた」とは、天の法則のようなものを定められたというようにも理解できましょう。そして「それは過ぎ去ることがない」と描写されます。そこに宇宙の安定の基礎があります。

7節以降では「ほめたたえよ 主 (ヤハウェ) を 地の上から」と、1節の「天から」との対比で描かれます。

8節ではすべての自然現象と見られるものに対して主への賛美が命じられます。不思議にも「激しい風」が「みことばを行うもの」として描かれます。「風」には主の「息」という意味もあり、それを通して主が気象現象すべてを支配していると述べられています。

日本語の「天気」には、「天の気分」という意味が込められているという解釈もあるようですが、そこには「主のことば」というみこころの成就があるというのです。

9節では、地形や植物に、主を賛美するように訴えられています。ローマ人への手紙8章21節では、「被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由にあずかります」と記されます。

それは、この地上世界が狂ったのは、アダム以来の人間の罪によるものなので、この地の人間がキリストの復活にあずかり「神の子ども」として「現れる」ときに、この地上世界全体がすべて新しくされるという希望を語ったものです。

ですから11-13節では、すべての人間が「神のかたち」としての生き方を回復して、創造主なる主 (ヤハウェ) をほめたたえるように訴えられます。

しかも13節原文で「彼らにほめたたえさせよ」と記されますが、その「彼ら」には10節の「翼のある鳥」も含まれます。

アシジのフランシスコは、あるとき小鳥たちに、「兄弟なる小鳥たちよ。あなたがたを造ってくださった神様のご恩を深く感じていなければなりません」と説教をしたという言い伝えがあります。

私たちは全被造物とともに主を賛美することから、真の自由が生まれます。

祈り

主よ、すべての見えるもの、また見えない世界のすべてが、あなたによって創造されました。私たちが主を賛美し、また被造物すべてに主への賛美を訴えることには、全世界が神の栄光に包まれるという希望があります。その自由を味あわせてください。


ところで、ひと月ほど前に、バングラデシュの貧しい農村部におけるコロナ対策のための支援の働きをご紹介させていただきました。「声なき者の友の輪」の交わりの中で、5月15日までに146万1千円が集まりました。私たちの中からも若干の支援をお届けすることができました。活動のご報告は、6月以降に現地からの報告を受け取って準備するとのことです。

今回の働きの中心になっておられる方は、当教会でも何度もメッセージしてくださった柳沢美登里さんのご友人で、回心したばかりのクリスチャンがイスラム社会で生きて行くことができるための訓練施設を導いておられる方です。私たちの教会は昨年のゴスペルチャリティーコンサートでその働きのための支援を若干させていただきました。

これらの援助の目的は、その地域の方々が援助に頼らず、自立してその地域に仕えることができるためのスタートをするためのものです。何の働きでもスタート資金が大切になります。そしてその目的は、「神のかたち」として生きることの支援にあります。

伝統や風習の中には、個人の主体性をしばるものがあまりにも多くあります。昨日からご紹介しているように、被造物とともに創造主を賛美することから、本当の意味での自由な生き方が生まれてきます

そこで本日は、NHKラジオ第2の「宗教の時間」で、柳沢美登里さんが「バングラデシュの30年」というインタービュ―を受け、先日、放送されました。その番組をご紹介させていただきます。クリスチャンで元NHKディレクターのかたが、質問を考え、編集してくださったものです。6月15日午後3時までこちらの リンク から聴くことができるそうですので、お時間がありましたら、ぜひお聴きください。

僕自身も柳沢美登里さんから、多くの話を聞いておりますが、そのたびに、彼女の自由な発想から刺激を受けております。