一方、NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」では、娘を自分の命よりも大切に思っていた母が、娘のルイちゃんから、「I hate You」と言われ、米国に旅立つという悲惨な展開が放映されていました。
私たちはこの世界で、もっとも大切な人との関係で苦しむということがあります。決して、愛が冷めているわけではなく、愛すれば愛するほど、関係が難しくなるという現実があります。
それは、一人ひとりが、「神のかたち」として創造され、固有の意志をもった人間であることの結果でもあります。
それはある意味で、「神のかたち」としてのすばらしい能力を持て余し、また使いこなせなくて、その最もすばらしい能力において互いに傷つけあってしまうということなのかもしれません。
私たちは、誰一人、自分の意志でこの世に生まれた人はいません。そして、自分の生まれ育つ環境を、そのまま恵みとして感謝して受け取れる人も稀です。
それぞれが、置かれた場で必死に、自分らしく生きようとしながら、その必死さのゆえに、他の人が自由に生きる場を狭めてしまうこともあります。
そのような人間関係の難しさの中に、世界でただ一人、ご自分の意志で生まれる場を選んで人となった方がいます。それこそ、イエス・キリストです。
クリスマスは、全世界の創造主が、無力な赤ちゃんとなって、飼葉桶の中に生まれたことを記念する日です。
イエスこそ、「神のかたち」としての生き方をこの世界の人々に知らせるために私たちと同じ人間となって下さったかたです。私たちは自分の傷つきやすい感性を持て余しますが、神の御子は私たちと同じ傷つきやすい感性を持つために人となってくださいました。
誰よりも傷つきやすい心をお持ちになりながら、その感性を用いて人の痛みに寄り沿い、その人に本来の「神のかたち」としての生き方を回復させてくださいました。
このクリスマスの不思議さを歌った感動的な歌があります。旧聖歌137番「入れまつる家あらず」です。以下でお聞きいただけます。
26日の早朝礼拝でも歌う予定です。ぜひ味わっていただければ幸いです。