クリスマスに向けて 「剣を取る」ことについて——ウクライナの船越先生からのお知らせ

今日(12月22日金曜日)は冬至です。つまり、今日を境に、これからどんどん日が長くなるという希望を感じやすい日でもあります。
 イエスのご降誕が12月25日であったとの証拠はどこにもありませんが、初代教会のクリスチャンが、ユダヤ教の「宮きよめの祭り」(ヨハネ10:22) が「光の祭り」とも呼ばれていたので、その日をクリスマスにしたのではないかと思われます。なおユダヤ教の暦は太陽暦ではありませんから、毎年変わります。今年は12月7日から一週間祝われました。
 私たちの教会では12月23日(土)は午後5時から6時まで音楽礼拝が開かれます。
 24日は10時15分からと午後4時からの二回の礼拝が守られます。
 午後は持ち寄りの食事会、午後1時半から祝会のイヴェント、午後4時からの礼拝の最後ではキャンドルサービスが行われます。
 それぞれ Zoom や YouTube で配信されますが、お問い合わせいただいた方には開き方をご案内できます。

 今年は残念ながら戦争のニュースばかりでした。それに対して、 の記事を掲載しました。
(ウクライナの船越先生ご夫妻もこの記事を喜んでくださいました)

 以下はその要約です。ローマ帝国の支配下でキリスト教が広まっていったとき、クリスチャンたちは基本的に「非暴力」の原則を大切にしていました。イエス様が「剣を取る者は剣で滅びます」(マタイ26:52) と言われたからです。
 しかし、そのとき一般市民に参政権はありませんでしたし、クリスチャンは基本的に迫害される側にありました。しかし、クリスチャンたちが政治に影響力を発揮できるようになったとき、武力行使を完全否定してしまっては、道理を無視して武力をもって人々を圧迫する勢力に対する抑えが利かなくなります。
 弱い立場にある人々を守るための武力行使が必要になる場合が出てきます。
そして、聖書全体の中では、決して武力行使を一方的に非難しているという記述は見えません。大切なのはその歴史的文脈から判断することです。
 この記事の中では、ドイツで尊敬されているディートリッヒ・ボンヘッファーのことを書いています。彼はヒットラー暗殺計画に加わったことで、終戦間際に絞首刑にされました。彼は「殺人機械から運転士を引き離す」必要があると考えました。ドイツ語での運転士とはフューラーと呼ばれます。そしてヒットラーは自分をドイツのフューラー(導き手)であると呼ばせました。
 ボンヘッファーは自分の行為を決して正当化はしていません。終わりの日に自分が神のさばきを受ける可能性を十分に認識しつつ、自分にはこれしかできないと思い、その暗殺計画に加わりました。
 ですから、彼の行動に対する評価はさまざまあります。また彼も自分が正しいことをしているとは決して言っていません。私たちもその行動を模範とするようなことは決してできません。
 でも、人は、目の前の家族や友人のいのちを守るために武器を取らざるを得ないことがあるかもしれません。そのような葛藤から逃げることなく、矛盾のただ中に身を置こうとすること自体が尊いことと言えましょう。傍観者的に世界の悲惨を見ること自体が卑怯な態度にもなり得るということを覚えたいと思います。

以下はウクライナの船越宣教師からの12月20日の報告の抜粋です。覚えてお祈りいただければ幸いです。

 この1ヶ月間はウクライナの戦況に関する厳しいニュースが続き、気持ちが本当に滅入ってしまいそうになることが多くありました。(ウクライナによる反転攻勢がほぼ失敗となってしまったこと。西側諸国からの支援の見通しが不透明なこと。ロシアが改めて戦争継続の意思を示し、より大きな動員が行われる可能性があること、など。)
 病院伝道においても、そこにいる兵士たちが前よりも落胆しており、しかも、苦戦を強いられている戦場に今から復帰しなければならないことを考えるとき、不安と恐れが今まで以上に強くなっているのを感じました。
 そんな中、12月3週目の病院訪問の直前、アレクサンドラフカ病院から負傷兵たちが全員別の場所に移動させられたことを知らされました。今まで関わってきた兵士たちに突然会うことができなくなり、何が起こっているのか、私たちには知らされていません。彼らの安全を願うばかりです。
 私たちは12月4−5日に、ウクライナ西部の町ザドゥルブナフで「従軍チャプレンのためのセミナー」に参加し、強く励まされて帰ってきたばかりでした。いま、主がどこに私たちを導こうとしておられるのか、ただ祈りつつ道が示され開かれるのを願っています。続けてHOPEソルジャーズの働きのためにお祈りください。

 ヘルソンからオデッサに避難してきている夫婦(私たちの教会の礼拝に集っておられるヴァシーリー・オリガ夫妻)のヘルソンの家が12月に二度目の砲撃を受けました。現在もヘルソンの町には毎日大量の砲弾が撃ち込まれています。
 ヘルソンは8ヶ月間のロシア軍による占領、昨年11月からの砲撃の開始、今年6月の洪水、現在の砲撃の激化という何重もの苦難を受け続けています。
 そんなヘルソンにとどまって働きを続けている私たちの兄姉たち(特にオレグ牧師家族)の守りと働きの祝福をぜひお祈りください。(11月30日にオレグ牧師が牧会するアントノフスキ教会に食料支援とクリスマスの贈り物を届けました。)
 12月23日(土)オデッサ教会からマリフカ村にチームが行き、現地の教会とともに「子供クリスマス集会」を行います。
 12月24日(日)オデッサ教会で「クリスマス集会」を行います。(勇貴が説教します。)すべての奉仕者が整えられ豊かに用いられて、この戦時下にあって、壊れたこの世界に人として来てくださった私たちの救い主イエス・キリストのご降誕をともに喜ぶことができるように、特別な祝福をお祈りください。

……

 12月31日(日)HOPEオデッサを行います。この激動の2023年最後の日、万物の創造者であり、2024年を支配しておられる主を見上げて心から主を賛美し礼拝したいと願っています。祝福をお祈りください。
 去年の今頃は停電が続いており、HOPEウィンターを行っていました。今年、ロシア軍は去年の冬に使用した3倍以上ものミサイルと爆撃ドローンを備蓄して、ウクライナの電力インフラを破壊する計画を立てていると報道され続けてきました。現時点では、そのような大規模で組織的な攻撃は始まっていません。
 どうか、続けて主の守りと、どのような状況の中にあっても私たち教会が主の光となることができますように、お祈りください。
 1月7日(日)は旧暦のクリスマスです。この日「ファミリー・クリスマス礼拝」を行います。
 1月14日(日)は「ゴスペル・コンサート礼拝」を行います。ぜひ、特別な祝福をお祈りください。(13日は勇貴とサーシャの結婚式を行います。)

愛するみなさまの尊いお祈りとご支援に心から感謝しています。
みなさまの上に主の祝福が豊かにありますように、オデッサで心から祈っています。

船越真人・美貴