ハマスの創設者の息子がクリスチャンに……自分を迫害する者のために祈りなさい〜マタイ5:44 続報

ガザ地区とイスラエルの悲劇が毎日のように報じられます。本当に熱く、この地の平和のために祈りたいと思います。

昨日、日本を除く先進六か国が、ガザ地区難民保護とともにイスラエルの自衛権を支持する声明を発表しました。日本は今年、G7の議長国ですが、今回は、アラブ諸国に配慮してこの声明に名を連ねなかったのかと思われます。

国際政治にはいろんな駆け引きがありますし、日本がいつでも欧米に追随するような姿勢は、かえって信用を失うでしょうから、日本政府の判断を全面的に非難するつもりはありません。また、イスラエルのガザ地区への軍事侵攻が正当化されれば、多くのパレスチナ難民の命が失われることは明らかでしょうから、どれほどハマスが凶悪なテロ組織であると言われていても、イスラエルの軍事侵攻には賛成できないという意見にも極めて説得力があります。私たちは、とにかく民間人の犠牲なしに、パレスチナとイスラエルの地に、神の平和が実現することを願い、そのために熱く祈るべきでしょう。

先日もお知らせしましたが、米国のクリスチャンたちの間ではとっても有名な話があります。意外に、日本のクリスチャンの間では知られていません。

今回のイスラエルの対する悲惨なテロを起こしたハマスの七人の創設者の一人の息子モサブ・ハッサン・ユーセフさんは1996年にイスラエル軍に捕らえられた後、1999年にクリスチャンになり、現在はアメリカに亡命しております。

彼の証しを読むことができました。彼は不思議な導きの中で、ユダヤ人とまたクリスチャンと友人になることができ、聖書を読むようになりました。

彼は以下のイエス様のことばにまさに心を貫かれるように感動しました。

「『あなたの隣人を愛し、あなたの敵を憎め』と言われていたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(マタイ5:43,44)

それは今まで聞いたこともないことばでした。イスラム教では聖戦の大切さが説かれていたからです。

目に見える敵は、真の敵ではないと気づき、私たちの内側に住む罪こそが、私たちが真に憎むべき罪であると気づいたのです。

彼はその中で、「ユダヤ人は長らく、ヨーロッパで抑圧されてきたが、それから解放されたとたん、パレスチナ人を抑圧する側になった。パレスチナ人は、迫害を受けてきたが、実は、自分たちが迫害する者となっている」と記しています。そして、ハマスはイスラエルという国をこの地から消し去ることで、この地に平和を実現できると言っているが、そこで起きることは、女性の自由を徹底的に抑圧し、一般の民衆から表現の自由が奪われることに他ならない……

抑圧者を力で打ち倒す者は、今度は、力で人々を抑圧するようになる……
「自分の敵を愛する」ことを教えた、イエス様なしのいかなる宗教も危険である。真の信仰とは、イエスをその身に着ることに他ならない (エペソ4:22-24)

先日もお報せしましたが、ユーセフさんは、しばらく沈黙を守っていましたが、つい先週になって米国の FoxNews のインタビューに答え始めました。イスラエルを憎んでいたパレスチナ難民の息子であり、ハマスの創設者の息子として恵まれた生活をしていた人がなぜ、ハマスを裏切ってアメリカに逃亡したのか、とっても考えさせられます。

で彼のインタビューをお聞きいただくことができます。

そこでとっても印象的な発言は以下の通りです

1996年に私がイスラエルのスパイ活動容疑で捕らえられた後、ハマスを去ったのは、彼らの残虐さに耐えられなくなったからだ。自分はハマスのリーダーに属する家族たちの中で、とっても安定した立場が保障されていたが、彼らの残虐さのゆえに行動を共にできないと考えるに至った。

彼らはパレスチナ難民の命が失われることなど何とも思っていない。彼らは決して、パレスチナの人々に仕えているのではない。彼らはかつての「イスラム国」を樹立しようとしたテロリストと同じ目的を持っている。彼らは自分たちが信じる偏狭的な理想の実現のために、人間の命を失うことなど、何とも思ってはいない。

彼らは敢えて言うと、「今はイランに仕えている」だけだ。彼らはパレスチナ人を人間の盾として使っているだけだ。今後のパレスチナ人のことを考えたら、このハマスを壊滅させるしかない、今、パレスチナの人々のことが本当に心配だが、ハマスというテロリストを撲滅しない限り、パレスチナ難民の将来は開けない。

ユーセフさんは、パレスチナ難民のことを誰よりも心配して、心を痛めています。しかし、そのためには、ハマスというテロ組織を滅ぼすしかないと心から信じ、今は、イスラエル軍のガザ地区への侵攻に賛成しています。そのために、もちろん、一般市民を巻き添えにしないための最大限の努力を進めていますが、とにかく、ガザの地下に掘られたトンネルを無くしてしまわない限り、問題の解決は期待できないと言っています。そればかりか、トンネルを破壊する前に、難民への援助を行っても、それらはすべてハマスを助けることにしかならないとまで言っています。

これは、本当に恐ろしく冷酷な発言に聞こえますが、ハマスの残虐さを誰よりも熟知している人のことばとして無視できないと思います。とにかく、ハマスの創設者の息子が、イスラエルの軍事侵攻の必要性を否定できなくなっているという事実に向き合うべきでしょう。ユーセフさん自身も、自分の身の危険を覚えながら、このようなインタビューに答えているという現実を私たちは無視できません。

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もちろん、多くの信仰者は、このユーセフさんの発言にそう簡単に賛同することはできないと思います。「敵を愛する」という教えで、信仰に導かれた方が、このような厳しい発言をしていることには首をかしげて当然です。でも、彼が抱く危機意識にも、それが当事者の発言であるからこそ、無視できないものと言えましょう。

戦いの当事者を一方的に非難したり、「このようにしたら、問題が解決するはずだ……」と安易な意見を発信するまえに、この地に起きている激しい「うめき」に心を合わせ、彼らのうめきを自分の「うめき」として、謙遜に、真剣に祈ることこそがすべての始まりとなるべきかと思います。