日本の家計金融資産が過去最高になったという報道がなされ、株高が貢献したかのような書き方がされています。しかし、個人の金融資産に占める株式の比率はまだ10%、投信のの比率も4.5%に過ぎないことが計算するとすぐに分かります。興味深いのは個人金融資産のうちの54%が預貯金であるということです。これが米国の場合は十数パーセントにすぎません。ドイツでも40%程度、先進七か国の平均は28%程度です。
日本人は不思議な国民です。まったく金利がつかない金融機関にお金を預け続けています。
自分でリスクを負うのを極端に嫌うからです。それが経済全体を停滞させます。
一方、東証一部上場の株式の平均利回りは約2%となっています。普通に考えれば、株式が一番、利回りの良い投資対象なのです。
企業の資金需要がなお少ないため、保険会社を含む金融機関は、国際的な債権、株式などに投資しないと収益を確保できません。
多くの日本人は、金融機関を心から信頼して、リスクを自分で負うという判断を嫌い、金融機関や政府の投資判断にお任せしています。
皮肉なのは、ふだん自民党政権や銀行を批判している人々が、お金の使い方に関しては政府と金融機関に丸投げしているという現実があることです。
実は、信仰者とは、リスクを負うことができる人ではないかと思います。ダビデはサウル王に追われながら、損得勘定を超えてケイラの町を守りました (Ⅰサムエル23章)。
不安のただ中で、次のように祈りました
私に追い迫る者たちを封じてください。
私のたましいに言ってください。
「わたしがあなたの救いだ」と
詩篇35篇3節
経済も社会も、自分でリスクを取り責任を担う人によってリードされます。もっとリスクを負うことが推奨されるべきかもしれません。