今、アフガニスタンで恐ろしいことが起きています。今まで、この国はクリスチャンにとって、北朝鮮についで住みにくい土地と言われて来たようです。
それでも日本人のクリスチャン医師 氏が アフガニスタンの政府からその働きに故に表彰されるようなことがありました。中村氏が非業の死を遂げた時にも、大統領自ら棺を背負うようなことをしました。
それを思う時に、アフガニスタンではクリスチャンに対して好意的な人々も増えているような気がしていましたが、現実は、2001年に米国がタリバン政権を打倒した後も、数えきれないほどのクリスチャンに対する迫害があったと言われます。
アフガニスタンの政権がこれほど簡単にタリバンに屈服するようになる理由を、実は、オバマ元大統領が10年余り前の記録として次のように記しています
警察、各州知事、主要省庁の不始末や腐敗が横行し、ハーミド・カルザイ政権と正当性は失墜していた。世界で最も貧しい人々が生活条件を改善するために是が非でも必要としている外国からの援助金も、おおかた吸い上げられてしまっていた……
アメリカが後援する開発プログラムも、内容が大胆過ぎたのか、あるいは不正があったのか、地元の賛同が得られなかったのか、多くの場合約束どおりの成果を上げることができなかった。一方で、カブールの最も怪しげな事業者と大規模な契約を結んだことが原因で、アフガニスタン人の支持を取り付けようと考え出された汚職防止の取り組みそのものも頓挫していた
バラク・オバマ著「約束の地」上巻 P496
これだけを見ても、米国がアフガニスタンに、国民から支持されるような政権を作るという試み自体に無理があったことが明らかです。
米国はそのような失敗を世界各地で繰り返してきました。第二次大戦後のドイツや日本での占領政策がうまくいったという成功シナリオが彼らの発想を麻痺させているのでしょう。
外国勢力が自分たちに都合の良い政権を確立しようとしてもそれには無理があります。
ただ、タリバン政権は米国同時多発テロを引き起こしたオサマ・ビンラディンとアルカイダと協力していたことは明らかですし、現在に至るまで、タリバンが回復した地では、次々とアルカイダのテロリストが釈放されているとのことです。
昨年発売されたオバマ大統領の回顧録は、オサマ・ビンラディンを暗殺できた喜びで終わっています。それはオバマ政権の最大の功績の一つとして米国民から歓迎されました。それは2011年5月のことでした。
しかし、それから10年たって、すべての努力が水泡に帰すように、タリバン政権がカブールを支配し、テロリストの温床となるのではないかと懸念されています。
しかし、そのような中で、アフガン在住のクリスチャンや亡命中のクリスチャン指導者が信仰的な決断をしているようです。
この7月にアフガニスタンの何人ものクリスチャンたちが自分たちの信仰を公にして政府に登録したとのことです。それは、イスラム教からクリスチャンになったと判断されると、死刑にされる可能性が高いので、事前に、自分たちは生まれながらキリスト教徒であったということを申告するためでした。それは後の世代の安全のために必要なことと判断しました。
またタリバンはクリスチャン女性を発見すると、すぐにレイプし自分の妻の一人とすることを宗教的使命のように考えていますから、本当に恐ろしいのですが、そのような悲劇は、旧約聖書以来の歴史に繰り返されています。
それで、エレミヤ書27章6節の以下のみことばから、タリバンの支配も全能の主の御手の中で起きていることを受け入れようとしています
主のことば
「今わたしは、これらすべての地域をわたしのしもべ、バビロンの王ネブカドネツァルの手に与え、野の生き物も彼に与えて彼に仕えさせる」
エルサレム神殿を滅ぼし、イスラエルの民を強制移住させ奴隷化したネブカドネツァルを、主はご自身のしもべと呼んでおられるなら、主はタリバンをもアフガニスタンを新しくするための主のしもべととらえるべきと信仰的に判断したようです。
タリバンは、アフガンに住むクリスチャン指導者にすでに、「私たちはおまえたちが何者で、何をして、どこにいるかを分かっている」と警告してきているとのことです。
そのような中で、アフガンに住むクリスチャン指導者と亡命中の指導者は、ルターの讃美歌「神はわがやぐら」の歌詞を口すさんでいるとのことです。そこでは次のように、目に見える現実はサタンが勝利しているようにしか思えない悲惨を歌い、その中でなお神の国、神のご支配が進んで行くことを歌っています(私訳)
- 神はわが砦 わが強き盾
苦しめるときの 近き助けぞ
古き悪魔 知恵を尽くし 攻め来たれば
地の誰もが かなうこと得じ - いかで頼むべき わが弱き力
われらに代わりて 戦う方あり
そは誰ぞや万軍の主なるイェス・キリスト
勝利われらに 与うる神なり - 悪魔世に満ちて よしおどすとも
などて恐るべき 神ともにいます
この世の君 ほえたけりて 迫り来とも
主のみことば これに打ち勝つ - たとい主のことば 空しく見ゆとも
神は御霊もて み旨成し遂げん
わが命も わが夫、子も とらばとりね
神の国は なおわれらにあり
この賛美歌は詩篇46篇から生まれています。その10節では「やめよ。知れ。わたしこそ神。」と歌われています。
それは無駄な努力を止めて、主に祈り、主のご支配に信頼することの勧めです。米国に頼ってもタリバンの支配を倒すことはできませんでした。
差し当たりどれほどの不条理が起きても、主ご自身がアフガニスタンの民を動かしてくださることを信じることが最善です。
もちろん諸外国はできる最善の影響力を発揮して、アフガニスタンの民、またそこに住む信仰者を守るように努力する必要があります。
しかし米国の軍事力に頼って民主主義政権が生まれるという発想から、私たちは自由にされる必要があるでしょう。
アフガニスタン人のクリスチャンのことは友人から紹介された以下の から情報を得ました。
とにかく、アフガニスタンのためにお祈りしましょう。タリバンの最大の資金源は麻薬の栽培と販売から生まれているようです。恐ろしいことがこれから当分の間、起こり続けるでしょう。しかし、それで終わりはしません。アフガニスタンの信仰者と共に、全能の主に信頼しましょう。