詩篇113-118篇は「エジプトのハレルヤ詩篇」とも呼ばれます。それはバビロン捕囚の苦難の中で、新しい出エジプトを期待して歌われたからです。伝統的には過越しの食事の前に113、114篇が歌われ、食事の後に115-118篇が歌われたとのことです。
113篇1節の原文では、「ハルル(ほめたたえよ)」という呼びかけが三度繰り返され、「ほめたたえよ、ヤハ(ヤハウェの略)を。ほめたたえよ、ヤハウェのしもべたちよ。ほめたたえよ、ヤハウェの御名を」と記されています。「ハレルヤ」は、「ほめたたえよ、ヤハを」という意味ですが、このように「ほめたたえよ」と訳して、このことばを三度繰り返してみると、創造主が私たちに何を望んでおられるかが心に迫ってきます。
2、3節では1節の終わりの「ヤハウェの御名」が中心テーマとなり、「ヤハウェの御名が祝福されますように、今よりとこしえまで。日の昇るところから沈むところまで、ほめたたえられますように、ヤハウェの御名が」と、ヤハウェの御名ということばが三度繰り返されます。このみことばから多くの賛美の歌が生まれています。
ユダヤ人たちはバビロン捕囚からの帰還後、律法を守ることに熱心なあまり、「主の御名」を口にすることを恐れ、その箇所に来ると主人を意味するアドナイと読み替えました。しかし、彼らはその名を現わすヘブル語の四文字 יהוה を思い浮かべることができたことでしょう。
発音がヤハウェであったかは分かりませんが、この文字は、主がご自身の名をモーセに「わたしは『わたしはある』というものである」(出エジ3:14) と紹介されたことに由来します。そして、それを三人称形の「彼はある」として表現されたという経緯は知らされていました。
その御名には、「すべての始まり、すべての出来事の原因である方」との意味が込められていたと思われます。異邦人には神聖な四文字は縁遠くても、ユダヤ人はその文字を思い浮かべることができました。その違いは大きいのではないでしょうか。新改訳聖書で太文字の「主」と記されているとき、そこに主の御名の深い意味が込められていることを味わいながら、読みたいものです。
4節の原文では、主の御名が文の真ん中に来るように、「すべての国々の上に高くおられるヤハウェ、その栄光は天の上にある」と記され、この御名には「世界のすべてを支配し、天をも超越した方である」という意味が込められていることが示唆されます。しかもこの方は、先に述べたようにすべての存在を生み出す方であられます。
5節からはヤハウェである「私たちの神」のみわざが描かれます。当時の人々にとっては、「すべての存在の原因」という哲学的な命題よりも、この地の人々にもたらす現実の変化こそが、創造のみわざとして身近に思えました。
その創造主のみわざが、「弱い者をちりから起こし 貧しい人をあくたから引き上げ 彼らを 高貴な人々とともに……座に着かせられる。主は 子のいない女を 子を持って喜ぶ母とし」と描かれます。これこそヤハウェの御名にふさわしいものです。
私たちは今、神を「無からすべてを創造された方」と説明しますが、当時の人々にとっては、「不妊の女」と軽蔑された女性に、男子を誕生させることこそが、神の創造のみわざと認識できました。この賛美の背後に、預言者サムエルを生むことができたハンナの喜びの賛歌があります。
祈り
「わたしは『わたしはある』というものである」とご自身の御名をご紹介くださったヤハウェである主よ、私たちが御名に込められた意味を、毎日の生活での、主の新しい創造のみわざの中に見出すことができるように、霊の目を開いてください。
この詩篇113篇をもとに Migiwa さんが美しい日本語の賛美を歌っています。
彼女は自身の不登校や引きこもりの経験を通し生み出された楽曲や透き通る歌声で神様の愛を伝えています。デビュー後、ストレス性の病から声が出なくなるまでに落ち込みますが、主にある癒しを体験し、NHKに出演できるまでに回復します。僕の友人が牧師として仕えている教会の方です。
以下の歌詞は、まさにそのようなご自身の体験から生まれているものです
生かされている日々、喜びに満たされ、
手を上げ賛美ができたらなら、何も恐れることはない。
日の昇るところから沈むところまで、主の御名がほめたたえられるように……
以下でお聞きください
日の上るところから
by Migiwa
いかされている日々
喜びにみたされ
手を上げさんびができたなら
なにも恐れることはない
日の上るところからしずむ所まで
主のみなほめたたえられるように
全ての国々の上に高くいましい
その栄光天の上にある
いきとしいけるもの
あなただけお見上げて
みんなでさんびができたなら
こんなすばらしいことはない
日の上るところからしずむ所まで
主のみなほめたたえられるように
全ての国々の上に高くいましい
その栄光天の上にある
手を上げさんびができたなら
なにも恐れることはない
日の上るところからしずむ所まで
主のみなほめたたえられるように
全ての国々の上に高くいましい
その栄光天の上にある