神のさばきと赦しの力〜詩篇109篇

私たちの人生には、まったく思いもしなかった悲しみに出会うことがあります。それが人間関係であれば、本当に複雑です。私自身に関することではないのですが、この三週間、深い葛藤の中に置かれていました。まだ解決は見えませんし、今回のみことばに合わせた単純化もできません。

そのような中で、少し文脈が違いますが、キリスト教伝道映画「赦しの力」が立川でも上映されていることが分かりました。シネマシティ立川でも少なくとも来週早々までは上映されています。残念ながら一般的な人気はないので、三密は避けることができます。

そして、そこで歌われている主題歌もすばらしいです。そこに素晴らしい翻訳もついています。

「You say」という歌です。ローレン・ディングルという有名な歌手が歌っています。

僕自身としては、いろんな苦しみを抱えて来た方々の相談に載りながら、「あなたの敵を赦しましょう!」などと勧めるアプローチが、どうもしっくりきません。それよりも、神のさばきを願う詩篇の方が身近に感じられます。

しかし、実は、神のさばきを願う祈りと、自分にとっての敵と思える人を赦すことはセットになっています。ローマ人への手紙12章19、20節では、「自分で復讐してはいけません。神の怒りに委ねなさい……もしあなたの敵が飢えているなら食べさせ、渇いているなら飲ませよ」と、神のさばきに委ねる祈りと、自分の敵を愛する行動がセットに記されています。

私たちが人を赦すことができないのは、神のさばきを信じていない結果なのかもしれません。イエスは十字架の上で、「父よ、彼らをお赦しください」と祈られましたが、その直前には、「生木(イエスご自身)にこのようなことが行われるなら、枯れ木(宗教指導者たち)には、いったい何が起こるでしょうか」(ルカ23:31) と、エルサレムに対する神のさばきを目の当たりに見ながら、神の赦しを願っていました。

神のさばきを訴える祈りの代表は詩篇109篇です。実は、この詩篇の前提には、自分自身が神から特別に愛され、目を留めていただいているという確信が記されています。神を自分自身のお父さんのように感じているという前提から、この祈りが記されています。

これは94篇と並んで、悪人への報復を祈る詩篇の代表です。ただ、それは自分の敵を愛することと矛盾はしません。たとえば、ダビデはサウル王の手から必死に逃げる中で、二度もサウルを殺す機会が訪れましたが、家来を制止して、「殺してはならない。主に油そそがれた方に手を下して、だれが罰を免れるだろうか……主 (ヤハウェ) は生きておられる。主 (ヤハウェ) は必ず彼を打たれる」と断言しました (Ⅰサムエル26:9、10)。つまり、ダビデがサウルを助けたのは、神のさばきに任せたという意味とも解釈できるのです。

この祈りは、「神よ……沈黙しないでください」から始まります。黙示録6章10節では、殉教の死を遂げた者たちが神に向かって、「いつまでさばきを行なわず、地に住む者たちに私たちの血の復讐をなさらないのですか」と祈っています。この世界の不条理を見ながら、神の公平なさばきを願うのは、当然のことかもしれません。

ダビデの敵たちは、根拠のない悪い噂を広め、人々がそろって彼を非難し、攻撃をしかけるように仕向けました (2、3節)。彼にとって何よりも辛かったのは、「私の愛に代えて、彼らは告発で応じます」という現実でした (4節)。

不思議にもそれへの対応が原文では、「しかし、私自身は、祈りです」と記されます。これは、ダビデが、祈りによってすべての問題を解決しようとする姿勢を現します。時に、自分の正当性を訴えることが、火に油を注ぐことになります。これは霊的な戦いです。サタンに操られたような人々への戦いの最高の方法こそ「祈り」なのです。それこそ最善の戦い方だというのです。

5節では、「彼らは 善に代えて悪を 愛に代えて憎しみを 私に返しました」と訴えられます。あなたも人生のどこかでこのような気持ちを味わったことがあることでしょう。そのような敵に対して、「どうか……告発する者が 彼の右に立つようにしてください」(6節) と祈られます。

「告発する者」のヘブル語は「サタン」で、ゼカリヤ3章1節でも、人の罪を訴えるサタンの働きが描かれます。つまり私たちには、不当な告発者の右に、より恐ろしい告発者が遣わされるようにと祈ることが許されているのです。

心が憎しみや恨みの気持ちでいっぱいになるときに、はるかに辛い状況に置かれた人の立場になって、この祈りを味わうなら、あなたは、自分の内側に鬱積する怒りや恨みの気持ちが、神にとって軽蔑すべき感情ではないことが分かり、安心できます。

21節からは急にトーンが変わり、主を「あなた」と呼び、主ご自身の名ヤハウェと、「私の主」という親密な呼びかけが記されます。その上で、「私は苦しみ そして貧しく 私の心は私のうちで傷ついています」(22節) 以降のことばを、心の底から味わってみましょう。このような祈りを導いてくださる神の優しさが迫ってきます。

また28節の「彼らはのろいます。しかし、あなたは 祝福してくださいます」こそこの詩の核心であり、最高の慰めです。

29節の「私を告発する者たち」は、6節の「告発する者」の複数形で、彼らの背後にサタンがいることが示唆されます。

また31節では、「主が貧しい人の右に立ち……救われる」と歌われますが、これは6節との対比で、慰めに満ちた表現です。何と、告発者たちの右にはサタンが立ち、信仰者の右には主ご自身が立ってくださるのです。

祈り

主よ、私または私の友人が、不当な攻撃を受けて苦しむとき、この詩篇をとおして、傷ついた気持ちを訴えさせてください。あなたが、私たちの中に鬱積された気持ちを解きほぐし、慰めと希望を与えてくださることを感謝できますように。


You Say あなたは言われる

by Lauren Daigle

I keep fighting voices in my mind that say I’m not enough

私は闘い続ける ”お前は十分じゃない”という心の声と

Every single lie that tells me I will never measure up

”お前は決して成功しない”と言う全てのウソと

Am I more than just the sum of every high and every low?

私は長所短所の寄せ集め以上の者だろうか?

Remind me once again just who I am, because I need to know

私は誰なのか もう一度教えてください 知っておきたいのです

You say I am loved when I can’t feel a thing

私は少しも感じなにのに「お前は愛されている」とあなたは言われる

You say I am strong when I think I am weak

私は弱いと思っているのに「お前は強い」とあなたは言われる

And You say I am held when I am falling short

落ちこぼれのような私に「お前を支える」と言ってくださる

When I don’t belong, oh You say I am Yours

寄る辺のない私に「お前は私のもの」と言ってくださる

And I believe, oh I believe

そして私は信じる ああ 私は信じます

What You say of me, I believe

私についての あなたの言葉を私は信じます

The only thing that matters now is everything You think of me

今 ただ一つ大切なのは あなたの私への思いの全てです

In You I find my worth, in You I find my identity

あなたの中に私は自分の価値を見いだした あなたの中で 自分が何者か分かったの

You say I am loved when I can’t feel a thing

私は少しも感じなにのに「お前は愛されている」とあなたは言われる

You say I am strong when I think I am weak

私は弱いと思っているのに「お前は強い」とあなたは言われる

And You say I am held when I am falling short

落ちこぼれのような私に「お前を支える」と言ってくださる

When I don’t belong, oh You say that I am Yours

寄る辺のない私に「お前は私のもの」と言ってくださる

And I believe, oh I believe

そして私は信じる ああ 私は信じます

What You say of me, I believe

私についての あなたの言葉を私は信じます

Taking all I have and now I’m laying it at Your feet

私は持ってるもの全てを取り 今 あなたの足元に横たえます

You’ll have every failure God, You’ll have every victory

神様 私の全ての失敗も 全ての勝利もあなたのものです

You say I am loved when I can’t feel a thing

私は少しも感じなにのに「お前は愛されている」とあなたは言われる

You say I am strong when I think I am weak

私は弱いと思っているのに「お前は強い」とあなたは言われる

And You say I am held when I am falling short

落ちこぼれのような私に「お前を支える」と言ってくださる

And when I don’t belong, oh You say I am Yours

寄る辺のない私に「お前は私のもの」と言ってくださる

And I believe, oh I believe

そして私は信じる ああ 私は信じます

What You say of me, oh I believe

私についての あなたの言葉を私は信じます

And I believe, oh I believe

そして私は信じる ああ 私は信じます

What You say of me, I believe

私についての あなたの言葉を私は信じます