9月8日夜に 英国のエリザベス女王が天に召されたとの知らせがありました。その後、バッキンガム宮殿に美しい虹が見られたとのことです。
ある方から、この虹の意味について尋ねられましたので、全員宛てでお答えさせていただきます。すべてのことは、永遠の神のご支配の中にありますから、その虹を見ながら、全能の神の契約を思い起しても良いと思います。
創世記8章、9章には、神が大洪水を起こして、この地を滅ぼした後に、ノアが全焼のささげ物をささげます。その芳ばしい香りをかがれた神は、もう二度とこの地を大洪水で滅ぼし尽くすことはないと心に誓われます。そして次のように約束されます
この地が続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜がやむことはない。
そして、その契約のしるしとして神は虹を見せてくださいました。私たちは、雨のあとに虹を見るたびに、この神の契約を思い起します。
決まった時間に日が昇り、また季節の変化があるのは、決して、偶然ではなく、神のご支配の確かさを現すものです。
エレミヤ33章20–22節では、これがダビデの子孫による永遠の支配の約束につながり、「昼と夜と結んだ神の契約」と呼ばれます。
さらにそれが、詩篇2篇10、11節では
それゆえ今、王たちよ 悟れ。地をさばく者たちよ 慎め。
おそれつつ 主に仕えよ。おののきつつ震え 子に口づけせよ。
と命じられています。
キリスト教国における王は、イエス・キリストのご支配に服し、イエスを真の王として崇めるために立てられていると考えられています。
ある神学者が 英国の世界観の基礎には1215年のマグナカルタがあると言いました。それは、王の支配権を認めながら、そこに制約を与えるというものです。
エリザベス女王は、亡くなられる二日前に、最後の大きな働きをしました。それは、トラス首相を任命したことです。英国では首相の任命権は王にあります。しかし、王はそれを議会の意向を受けて行います。それは神の支配をその議会の多数の中に見るからです。
米国的な価値観からすると、なんとも曖昧な制度と思えますが、多くの英国人は、すべてに白黒をつけるよりも、すべての中にバランスを見出すことを大切にします。
日本の政治システムは英国に倣っている面がありますから、すべてに白黒をつける米国的な発想よりも、英国的なバランス感覚を学ぶべきかとも思います。