ウクライナの船越先生ご夫妻からの祈祷課題(8月30日)

 多忙のため、お知らせが遅くなりましたが、8月30日に届いた船越先生からの祈祷課題です。ずっと応援して来られたオレグ先生のことが書いてあります。

 いつもウクライナのためにお祈りくださり、心から感謝します。ここ数日、ロシアによるミサイル・無人爆撃機攻撃はその激しさを増しています。
 特にこの数ヶ月間、ヘルソンの危険度が以前よりも格段に増してしまいました。ドローン技術の進歩により、ロシア軍のドローンが攻撃できる範囲が広がり、その頻度と烈度も増してしまっています。
 そのような中で、私たちの敬愛するオレグ牧師とご家族も、ついにヘルソンから避難せざるを得ないことになりました。この3年半の間、私たちの想像を絶する危険の中でヘルソンにとどまり、何度も命の危険にあいながら、ここまで働きを続けてきたオレグ牧師、ご家族に心からの敬意を払いつつ、その苦渋の決断を私たちは心から支持したいと思っています。以下は、オレグ牧師からの手紙です。


敬愛する先生、兄姉のみなさまへ

「福音の光」教会(ヘルソン)から心から感謝の気持ちを込めて、この手紙をお送りいたします。
 ヘルソンの安全状況は極度に悪化しています。これまで継続的に行われてきたロシア軍による砲撃とドローンによるヘルソン市への攻撃に加えて、新たな危険が加わっています。ドローン技術の進化により、ロシア占領軍はドローンを使ってヘルソン-ニコラエフ間の道路を攻撃することができるようになってしまったのです。先月だけで、この道路でのロシアのドローン攻撃により20台以上の車両(ミニバスやトラック、乗用車など)が破壊されました。この情報は民間車両に関するものであり、軍事的な損失に関する統計は機密扱いなので私たちには分かりません。

 この状況を見て、今後の可能性を分析した結果、私たちは非常に難しく、辛く、重い決断を下さねばなりませんでした。教会と私の家族をヘルソン市からリヴィウ州に避難させること、そして他者に対してもヘルソンからの避難を呼びかけることです。
 もし避難を拒否し、ヘルソンに残ることを選ぶ人々がいれば、私たちは彼らをドニプロ川(その東岸にロシア軍がいる)から遠く離れた地域にある四つの教会に案内する予定です。

 ここ2年間、私たちはヘルソン市民の中で数多くの犠牲者を目の当たりにしてきました。そして、私たちにとって特に辛かったのは、直接教会に通っていた人々の痛みと苦しみを目の当たりにしてきたことです。多くの人々は、自分たちがヘルソンで命を繋ぐ主な理由として、心から愛する私たちの教会の存在を挙げていました。
 教会は、彼らにとって霊的な力の源であり、多方面にわたる物質的支援を提供する場所でもありました。主への信仰によって支えられ、主の偉大さと力を理解し、私たちは皆、ウクライナのヘルソンでの未来を思い描いていました。
 しかし、残念ながら現実と歴史的な経験が私たち、奉仕者たちにいくつかの事柄を再考させることになりました。私たちは主の力と恵みを疑うことはありません。しかし、主の計画や私たちの街の具体的な未来を完全に理解することはできません。過去を振り返ると、2014年にロシアに占領されたドンバスやクリミアの解放を待つ代わりに、私たちはこれらのウクライナの土地がほぼ完全にロシアに呑み込まれるのを見てきました。
 私たちは、同じことがヘルソンで起こる可能性があることを理解し、受け入れなければならないところに立たされました。もし今後、戦争が一時的に凍結されることがあったとしても、現在世界がウクライナに圧力をかけているように、ヘルソンは「グレーゾーン」(2014年のドンバスのような)となり、そこで無法が蔓延することになるでしょう。

 私たちが避難を決定した理由は、ヘルソンが唯一の生きる場所ではないことを人々に示したいからです。私たちの家族と教会の人々の未来のために、どうかお祈りください。私たちは神に感謝しています。戦争の3年半の間、神は私たちにヘルソンの人々に福音を伝え、多様な支援を行う恵みを与えてくださいました。

 私たちは、2023年2月からの3年半の間、ヘルソンで皆さんと共に仕え、皆さんの祈りと物質的支援によって支えられてきたことに対し、特別に神に感謝しています。皆さんの助けによって、私たちはヘルソンの人々が非常に困難な生活を送る中で支援を続けることができました。
 皆さんからいただいた資金は、ヘルソンの困窮している住民たちに対して、建築材料、食品、医薬品、家庭用化学製品や衛生用品、照明器具(発電機、ランプなど)、暖房器具(ストーブ、薪)、飲料水などの必要な物資を提供するために使用しました。また、特別な場合には、金銭的支援も直接行いました。

 私たちは、親愛なる兄弟姉妹である皆さんに心から感謝し、引き続き皆さんの祈りの中に覚えていただけるようお願い申し上げます。私たちの今後の生活と奉仕については、これからもお知らせしていきます。

 心からの感謝とキリストの愛を込めて、神の祝福をお祈りしつつ、ヘルソンのアンタノフスカヤ教会「福音の光」の兄弟姉妹と、牧師オレグ・デリケチェンコより。
 


オレグ牧師、ご家族(奥様と八人の子どもたち)、その教会のために祈り、支え続けてきてくださったみなさまに心から感謝しています。今後の私たちのHOPEヘルソンの働きの方向性について、主から知恵と導きが与えられるように、続けてお祈りいただければ感謝です。