立川チャペル便り「ぶどうぱん」2025年イースタ号より
私たちの教会では新約と旧約を交互に解き明かしております。特に旧約は2004年~2014年にかけて約10年間で創世記からマラキ書までを駆け足でメッセージを取り次ぎました。そして2015年に再び創世記から始め、今回は一回目にできなかった歴代誌を含め、2025年2月でエレミヤ書まで到達しました。
本当はまたエゼキエル、ダニエル、小預言書までお話ししたいのですが、小生の引退が視野に入っているのと、最近新しい方が増えてることもあり、この一年は、旧約のハイライト的なメッセージを考えています。
感謝なことにインターネットで「立川福音自由教会」と入れて当教会のホームページを開いていただき、そこでの「聖書メッセージ」⇒「礼拝メッセージ」と検索していただくと、右下に聖書の各書ごとのメッセージの一覧をご覧いただけます。
そこではたとえばダニエル書とかゼカリヤ書など、現代に適用される預言の文脈の解説をお読みいただくことができます。若い牧師の中には礼拝説教の準備のたびごとにその解説が大変参考になると感謝してくださる方もいます。
当教会のホームページのどこかのサイトが開かれる件数は一日平均700件を超えるほどになっています。実際に、インターネットで信仰に関する用語を入れて検索していただくと、当教会のサイトに導かれることが多くあります。
先日も「恐れを祈りに」と入れて検索すると、すぐ過去の小生のメッセージにアクセスできて嬉しくなりました。本当に管理してくださってる方のご労苦に心より感謝しております。ぜひ、皆さまもご利用いただければ幸いです。検索回数が多いほど、一般の人々でも、何かの用語を検索することで当教会の情報に辿り着いていただけます。
ところで、旧約のストーリーには「イスラエルの死と復活」という中心テーマを発見することができます。それはもちろん、新約でのキリストの十字架と復活につながってきます。イエスは旧約の大切さに関して、「まことに、あなたがたに言います。天と地が過ぎ去るまで、律法の一点一画でも決して過ぎ去ることはありません、全部が実現するまでは」(5:18私訳) と強調されました。
この目に見える「天と地」は過ぎ去り、「新しい天と新しい地」が実現します。それは聖書の預言がすべて成就するときです。その時まで、旧約聖書にある最も小さな文字も無駄にならず、小さな読み替えも必要はありません。みことばが役割を終えるのは、全部が成就したときになってのことです。歴史とは、神のみことばがひとつひとつ実現して行くプロセスです。
そして、新約のヘブル人への手紙こそ、神殿礼拝に親しんでいたユダヤ人の視点から福音を語ったもので、これによって旧約と新約が一つの連続した福音として理解されるようになります。私はヘブル人への手紙を最初に読んだとき、「私たち信仰者の希望は天国にある。だから天国の祝福を身近に感じられるようになることこそ、信仰成長の鍵だ」と思いました。しかし、神学校時代に、古代教会の正統信仰のチャンピオンとも言えるアタナシウス(一般の高校の教科書に登場する4世紀の神学者)の「ことば(ロゴス)の受肉」を読んで、それまで聞いてきた福音と違った切り口で語られていることに深い感動を覚えました。
その中心テキストこそ、ヘブル人への手紙2章14、15節のです。そこでは私たちを「死の恐怖」の「奴隷」状態から解放するために、キリストがご自身の十字架と復活で、悪魔という「死の力を持つ者を無力化した」と記されています。
多くの日本人は罪の自覚という点で、聖書の福音が理解しにくいと言われます。しかし、多くの日本人が持っている「見捨てられ不安」を「死の恐怖」の観点から理解すると、ヘブル書を中心テキストとするアタナシウスの解説はとても身近に感じられます。
よろしかったら、「恐怖からの解放者イエスーヘブル人への手紙の私訳と解説」をお読みいただければ幸いです。教会図書でお借りいただくこともできます。
聖書に関してのご質問は、何に関しても喜んでお答えします。ただ、せっかくの当教会ホームページの情報や小生が書きました様々な聖書の解説の本もご利用いただければと思います。この教会のリードは徐々に後継者の先生にお任せすることが、今後の教会の歩みにとって何よりも大切なことです。しかし聖書の解き明かしは、その聖書の箇所ごとにいくらでも検索いただき、またお聞きいただくことができます。
これからは福音を当教会の外の方々にお伝えすることに力を注ぎたいと願っておりますので、引き続き、応援をしていただければ感謝でございます。