兵庫県知事選は日本の変化の兆しか?〜使徒2:23、24

先日の兵庫県知事選には、大きな驚きを覚えました。公共的な放送や新聞では、真偽不明のSNS情報拡散に関しての懸念材料が出されていますが、そこには日本の神戸を中心とした地域で初めて起きている新しいことにも評価の目を向けるべきかと思います。

 僕は、兵庫県の政治のことも斎藤元彦知事のことも、ほとんど知りませんでしたので、この投稿をご覧になって、事実誤認とか大切な情報があればお知らせいただきたいと思います。
 兵庫県知事のパワハラや贈答品受領に関してのニュースが連日のように報じられていた時、当教会の昼食の席で、いつも事実に基づいた発言をするある方が、僕に向かって、「斎藤知事は、知事としてすばらしい働きをしているのに、どうしてその部分はほとんど話題にされないのだろう」と言ってくださいました。そのことばをきっかけに、僕は一連の報道に少し注意が必要かとしれないと思い始めました。

 しかも、不思議に、どの放送番組でも同じような報じられ方がされていました。そればかりか、一番、批判が遅れた政党の支持率が落ちるということまで起きました。そして最後は、兵庫県議会での全会一致の不信任決議による失職ということに至りました。
 そこには斎藤氏自身の明らかな問題があったことでしょう。
 今までの日本では、このような人は、もう社会的に葬られた人と見られていたかもしれません。
 ところが、彼が知事選再出馬すると徐々に、応援の輪が広がって行きました。

 すべての政党から見放された選挙事務所の陣営は、斎藤氏の中学と高校時代の同級生から構成されてたとのことです。ここに、彼自身の人徳が現わされているとも見られるかもしれません。
 彼の歩みを身近で見てきた人がボランティアの中心となり、それに連れて、あまり政治と縁がなかったような人が次々とボランティアに加わり、力強いSNSによる広報体制ができて行きます。
 そこにさらに、既得権益に批判的な政治リーダーまで加わってきます。

 斎藤氏は、「若者向け施策や行財政改革において実績を残した」というのは、それなりに認められていることのようです。
 ですから、今振り返って見ると、彼に関する報道が一面的になりすぎていたということは否定できない事実ではないでしょうか。
 しかもそこに日本的な同調圧力が加わり、彼を評価していた人までもが口をつぐまざるを得なくなっていった。
 
 しかし、先の衆議院議員選挙での大変革の後、一度、斎藤氏を追い詰める同調圧力がずっと少なくなります。
 そのような中で、多くの人が、何か兵庫県政で問われるべきことがあるのではないかと気づき始めたのかもしれません。考えてみたら、行財政改革を推し進めるということは県庁職員を敵に回すことが避けられな状態を作ることです。また、たとえば贈答品授受の禁止という建前があっても、県知事自身が県産品の宣伝をする助けまでに自粛があるとしたらそれはかえって不自然なことでしょう。

 たとえSNSで誤情報が出回ったとしても、ほとんどの兵庫県民は、その情報を見分けて、正しい判断ができる能力を持っていると信じるのが民主主義の基本とも言えるかもしれません。
 それ以上に、一面的な報道によって、県議会での全会一致の不信任決議を出すに至らしめた日本の同調圧力こそが、日本の最も危険な罠と言えるかもしれません。県議会での百条委員会での公正な調査が行われる必要があることは当然であるとしても、多くの県民が、県議会の不信任決議を翻したという事実は、日本の歴史の中では稀有なことではないでしょうか。
 どうしても多くの日本人は、権力者の決定に従順に従うという同調圧力に屈してしまいがちだからです。

 考えてみたら、イエス・キリストの十字架刑は、ユダヤ人の最高議会での全会一致での議決の後、法秩序を重んじるローマ帝国の公式な裁判を経て、執行されたことです。二千年前の公正な報道の感覚によると、反ローマ謀反運動の首謀者として死刑に定められたのが、私たちの救い主です。
 そして、イエスこそがユダヤ人が待ちに待った救い主であるということが少数のユダヤ人の中に伝えられて行きますが、大多数のユダヤ人はそれを受け入れませんでした。使徒ペテロは当時のユダヤ人に向けて次のように語りました。

このイエスをあなたがたは律法を持たない人々の手によって十字架につけて殺したのです。しかし、神はイエスを死の苦しみから解き放って、よみがえらせました
使徒の働き2章23、24節

 この知らせは、さらに異邦人にも伝えられ、さらにイエスは全世界の救い主であるということが旧約聖書から語られるようになって行きます。そこには、いつもいかなる公式な報道も、誰もが認めるような公正な調査資料などもありませんでした。いつも人から人への非公式な情報伝達でした。
 ですから、世界にとって本質的に重要なことは、公式な報道や調査によって広がりはしないとも言えます。
 
 当時の権力者がゴシップと見下していた情報伝達によって、真理は伝わって行きました。それが現代はSNSになったと言えましょう。
 僕には決して、斎藤知事を特別に政治家として評価する思いはまったくありません。ただ、社会を変える本当に大切なことは、非公式な伝達方法、現代で言えば、公式に真偽を評価し得ないSNSで伝わっていくかもしれないということを覚えたいと思います。SNSの誤情報を正すことができるのも自由なSNSでしかありません。
 そうは言っても、NHK神戸放送局の以下の調査は簡潔ですぐれたものだと思います。たまたま、「NHKから国民を守る」党の立花孝志が大きな影響力を発揮したとの言われるので、それを中和するためにも します。