「若さを楽しめ」——大谷翔平〜伝道者の書11章7–10節

 米国ドジャーズでの大谷翔平さんの活躍が、大きな話題になっております。今日は早速、本塁打、盗塁 それぞれの記録が52に伸びたと報じられています。

 何か多くの日本人の心を元気にしているような気がします。大谷選手のすばらしさは、多くの指導者たちから、「盗塁は怪我のリスクを高めるから、自制するように」と勧められながら、チームの勝利のために、そのリスクを敢えて引き受け続けていることにあるように思います。
 しかも、彼はそれを心から楽しみながら行っています。

 リスクを引き受けてチャレンジすることを心から喜ぶという姿勢は、何か、日本中に活力を生み出しているような気がします。

 1990年のバブル経済崩壊以降、先の新型コロナ感染対策までの約35年間、日本の雰囲気は、リスクばかりを恐れて、安心安全を第一としてきた気がします。
 そのようなことを先日、大学時代の友人たちと話し合っていました。

 その間、日本の経済的な競争力は多くの国々から遅れを取っていると言われています。ちょうど、そのような小論文を「福音主義神学会」の機関誌に向けて書いていたことろでした。

 また、伝道者の書の要約を、キリスト教月刊誌から依頼されてまとめていたところでもあります。
 そこには、「すべてが空しい」と繰り返されながら、目の前のことを喜び楽しみ、自分の心に沸き起こる夢にチャレンジすることが賞賛されています。

 伝道者の書での「若者」は、今年71歳になった自分にも適用できることばだと理解しています。
 もちろん、年齢に応じた人生の対応を謙虚に考えてのことです。
 大学時代の同窓会に参加したら(二十数名参加)、まだ現役で働いているのは僕しかいなかったということに驚いていますので……
 でも、自分としては、自分の中にある「若さ」をなお楽しみつつ、活動の場をこれからも広げて行きたいと思っています

 以下は伝道者の書11章7–10節の私訳です

 光は心地良い。
日を見ることは、目に良い。

 実に、もし人が長生きするなら、                            
暗い日々が多くあるかもしれないことを覚えていながら、         
 すべてにあって楽しむのがよい。
すべて起こることは空しいから。

 若者よ。あなたの若さを楽しめ。
若い日にあなたの心を幸せにせよ。                           
 あなたの心にある道と
あなたの目に映るところに従って歩め。

 ただ、神は、それらすべてにおいて、
さばきを下されることも知っておけ。
 あなたの心から苛立ちを去らせ、
肉体から災いを取り去れ。   
 若さも、青春も空しいから。