40年間近く聖書を専門に学んできていますが、その中で、何よりも大切に思えたみことばは、「神は人をご自身のかたちとして創造された」(創世記1:27) です。「神のかたち」とは英語で image of God と表現されます。
それは、すべての人が、この地で、神のご性質を現し得る存在として、それぞれユニークに創造されているということです。
原初のアダムの罪によって、「神のかたち」が徹底的に失われたという神学解釈がありますが、聖書はそのようには記していないと思います (創世記9:6参照)。
つまり、信仰者であっても、未信者であっても、無神論者であっても、すべての人が、それなりの意味で「神のかたち」として生きることができるはずなのです。
ただ、イエス・キリストこそが真の「神のかたち」としての生き方を示してくださったので、キリスト者として生きることの意味は誰の目にも明らかです。
ヴィクトール・フランクルという心理学者は、そのようにすべての人に適用できる人間の心理を語っています。それは「意味の心理学」と呼ばれます。
僕も30数年間、心理学の学びもそれなりにしていますが、フランクルの心理分析が一番、聖書のストーリーと親和性をもってるように思います。
今回、このNHKで解説に登場する勝田さんご自身から案内をいただきました。僕の大切な友人の友人という関係ですが、ぜひ、一人でも多くの方にご覧いただきたい番組です。
ぜひ以下を予約していただければ幸いです。
2024 年度 こころの時代 シリーズ
ヴィクトール・フランクル それでも人生には意味がある
Eテレ「こころの時代」は、科学的思考が判断基準となりがちな現代、それだけでは解決できない生老病死の問題にいかに挑むのか、先人たちの知恵や体験に耳を傾けて考える教養番組。看板企画である全6回シリーズ、2024年度は、ホロコーストを生き延び、人生をかけて「それでも生きることには意味がある」と伝え続けたオーストリア人精神科医、ヴィクトール・フランクルの人生と思想をたどる。
80年前、600万のユダヤ人の命を奪ったホロコーストを生き延びた精神科医、ヴィクトール・E・フランクル (1905–1997)。
戦後、強制収容所の体験記『夜と霧』で世界的に有名になったが、フランクルが本当に伝えたかったのは、ナチスの残虐性ではなく、「どんな苦境においても生きることには意味がある」というメッセージだった。
フランクルは、精神科医として多くの患者と接する中で育み、強制収容所では自ら実践することで生き延びる助けにもなったこの思想を「ロゴセラピー(“意味”を軸とした心理療法)」と名付け、生涯普及に尽くした。
フランクルはなぜ、数えられないほどの苦悩を経験してもなお、人生を肯定できたのか。今シリーズでは、フランクルが遺した膨大な著作や資料を通じて、『夜と霧』だけではないフランクルの生涯と思想に迫る。
そして、争いや生きづらさが蔓延する現代で、私たちが苦悩を乗り越え、より広い世界に目を向けて生きる手がかりを探る。
出演:勝田茅生(南ドイツフランクル研究所公認ロゴセラピスト)、小野正嗣(作家・早稲田大学文学学術院教授)
▼ 放送予定 ※ 暫定情報ですので、変更となる可能性があります。
第1回:「日曜生まれの子」その光と影 4/21(日) 5:00~ ※ 再:4/27(土) 13:00~
<Eテレ・60分>
第2回:苦悩を生き抜く 5/19(日) 5:00~
※ 再:5/25(土) 13:00~
第2回:豊かさの中の「空虚」 6/16(日) 5:00~
※ 再:6/22(土) 13:00~
第4回:人生という「砂時計」 7/21(日) 5:00~
※ 再:7/27(土) 13:00~
第5回:「何か」に支えられて 8/18(日) 5:00~
※ 再:8/24(土) 13:00~
第6回:人生の中の出逢い 9/15(日) 5:00~
※ 再:9/21日(土) 13:00~
※ 放送後、NHKプラス・NHK
オンデマンドでも配信。番宣動画の配信やアンコール放送も予定しています。
▼ 担当:
NHK 第2制作センター[文化] プロデューサー 鎌倉英也、 川添哲也
ディレクター 浦邉藻琴、 平位敦