エチオピアに広がる神の国の祝福〜イザヤ58章10節

 今度の日曜日は特別の説教者、証し者をお招きしております。神田英輔先生が代表を務める「声なき者の友」の輪 (FVI) のカタリスト(触媒係)湯本沙友里姉です。

 私たちは援助の働きというとき、自分の側に何か他の人の役に立つ資格とか、特別な能力があるということを考えます。
 しかし、そのような発想は、時に、援助者、被援助者という関係を作り出し、他の人を助けているつもりで、どんどん依存させる関係を助長するということになりかねません。

 世界の開発途上国と呼ばれる国々のほとんどは、実は、国内の社会的弱者を助ける力を十分に持っています。
 しかし、長年の先進国からの援助に慣れてきた人々は、自分たちでその問題に直面し、自分たちで必要なお金を稼ぎだすという意欲が分かなくなっています。
 どこかの大きな援助団体からお金が来ることで、目の前の問題がすぐに解決するように見えるからです。

 しかし、大切なのは、それぞれが自分に与えられている能力を認め、それを生かすことができるという自信を持つことです。

 今回お越しいただく湯本沙友里姉は、下記のプロフィールにあるように、何か特別の資格があるような専門家ではありません。だからこそ、現地の何の資格もない人を励まし、ストリートチルドレン(路上で世界する子ども)を教育するために献身するように励ますことができます。
 彼女の話を聞いて、僕が何よりも感動したのは、レストランを開きたいという人のための接客の指導をすることをしたら、エチオピアの人々に深く感心され、現地のホテルの接客の講習会を依頼されたというような話です。
 日本人であれば自然に身についている接客の仕方が、現地では極めて衝撃的な働き方に見えるというのです。

今度の朝と夕方の礼拝では、イザヤ58章10節から「駅前の路上から小さく始まった、世界に広がる神の国の祝福」という興味深い題でお話しいただきます。

飢えた者に心を配り、苦しむ者の願いを満たすなら、
あなたの光は闇の中に輝き上り、
あなたの暗闇は真昼のようになる。
イザヤ58章10節

彼女が関わっている「輝く夢フリースクール」の動画を以下でご覧いただけます。たった6分です

 私たちはみな、「神のかたち」に創造されています。それは、神の代理としてこの地を治めるという働きができるためです。私たちは自分だけのために生きようとするときに、結果的に人生は暗闇になってしまいます。それは、人が互いに助け合うために創造されているのに、自分の能力を他の人を助けるために生かしていないからです。

 自分のためだけに生きている人の人生は、どんどん暗くなります。この世では、どれだけ効率的に何かをゲットできるかが、能力の証しになったりします。しかしそのような生き方が私たちの心をますます貧しくしてしまうのです。そんな生き方を考え直すきっかけになればと思います。


【湯本沙友里プロフィール】

 2007年大宮国際動物専門学校を卒業後、動物病院勤務、農業関連企業、ウェブ制作会社での職務経験を積みながら、2010年、「声なき者の友」の輪(FVI)のボランティアスタッフとして、東日本大震災後の被災地の福島・岩手などで活動。FVIの海外パートナーを通して、2013年6月から2014年3月までエチオピア、ケニヤに滞在。
 社会が抱える問題や弱者であるストリートチルドレンの苦悩、支援活動がもたらした負の側面などを目の当たりにしたが、そこから抜け出した次世リーダーたちの希望溢れる取り組みにも触れてきた。
 これから必要になる国際協力を模索し、2017年6月~現地での活動を本格的に開始。
 貧困家庭の子どもたちの教育支援を行いながら、働く場が増えていくことを目指した就業人材育成事業をエチオピアの仲間たちと進めている。
 同時に日本ではウェブ制作業「むすびめワークス」を運営し、ホームページ制作やチラシ・パンフレット・名刺や看板などの印刷物の制作を行っている。
 また、名古屋を中心にアフリカやエチオピアコーヒー関連のイベントやセミナーを開催。日本各地で活動報告講演会などを行っている。