いつもお祈りありがとうございます。ロシア軍は2022年の11月から始まった冬の間、民間施設(住宅地)と電力インフラを対象としたドローン・ミサイル攻撃を執拗に行いました。それは、ウクライナ人を精神的に疲弊させ、戦意喪失を図った卑劣なものでした。
2023年の11月から始まった冬には、ロシア軍は民間施設や電力インフラを狙った攻撃よりも軍事施設を対象としたドローン・ミサイル攻撃を重点的に行ってきました。しかし、ここにきて再び民間施設を狙い始めたのではないか、という憶測が流れ始めています。もしそうだとしたら、これは紛れもないテロ行為です。それを黙認するとしたら、もし国際社会が今、何もしないのなら、本当に後で大変なことになると思います。
これはウクライナだけの問題にはとどまりません。武力によって自国の領土を拡大することを厭わない、核を保有した国連安保理国は自分たちの理屈で何でもできてしまう世界になってしまいます。
ご存知のように、ロシア(プーチンとその周辺)は、自分たちの気に入らない勢力があれば、それを無理やり歴史と繋ぎ合わせて「あれはナチスだ」とし、「ナチスは撲滅しなければならない」として自分たちの武力行使を正当化する手法をとっています(タッカー・カールソンでさえ、プーチンへのインタビューの後で受けたインタビューの中で「(プーチンの「ウクライナはネオナチ政権」の説明は)今まで聞いたものの中でもっとも馬鹿げた話だった」と一蹴しています。)
プーチンの理屈に従えば、第二次世界大戦時にドイツ・ナチス政権と同盟を結んでいた日本も「あれもナチスの仲間」と言って侵攻する口実になるのでしょうか。馬鹿げた話のようですが、それくらい無茶苦茶なことを今ウクライナでやっているのです。
それに対して世界が「ロシアにはロシアの歴史観や言い分があるのだろうから」と変に物分かりのいい態度を取ると、ロシアの暴挙だけではなく、同じく領土拡大の野心を持ち、核兵器を持ち、国連安保理常任理事国である中国が“ロシアの成功例”に習うのは明らかです。
そうなると、第二次世界大戦以降、国際社会が精密なガラス細工のように維持してきた世界秩序が崩壊することになります。今、国際社会がロシアに対して何もしないことは、この第二次世界大戦以降の国際秩序の崩壊が起こることを容認することになります。
そして、それがもし崩壊したら、そのとき支払われることになる人的、物的犠牲は計り知れないものになると思います。今、まさに今後の歴史の流れを決める分水嶺におり、ウクライナがその重要な舞台になっていると考えています。
ウクライナができるだけ少ない犠牲で侵略者たちを押し返すことができ、侵略者たちもこれ以上犠牲者を出すことなく、速やかに武器をおいて、自国の自分たちの家族が待つ家に早く無事に帰ることができることを心から祈ります。いつも尊いお祈りに本当に心より感謝しています。
17:12 (月)
「ウクライナはロシアだ」ロシア前大統領 ゼレンスキー政権降伏まで侵攻続ける考え 国内強硬派へのアピールも(TBS NEWS DIG Powered by JNN)
— Yahoo!ニュース
これがロシア・プーチン政権の本音です。文字通りウクライナをロシアの一部にしようとしています。それは、ウクライナの主権、独自性、歴史、アイデンティティーを奪い去り、地図からウクライナという国を消し去ることを意味しています(それが「ルスキー・ミール」です)。
そのような思想で侵攻を継続しているロシアに対して、ウクライナがどうやって話し合いをし、停戦交渉で折り合いをつけることができるというのでしょうか。ウクライナの存在そのものを消そうとしている侵略者から自国を守るためには、その侵攻を押し留め、ウクライナの領土から侵略者を物理的に押し戻すしかありません。戦い続けるしかないのです。
しかし、そのために必要な武器が足りません。今日もファンタナ病院に負傷兵たちの訪問に行ってきました。その中で、何人もの兵士たちに悲痛な叫びのように「前線で戦っている仲間たちには砲弾が本当に足りていない。今あるものを使いきれば、もう何も残らない。守れない。欧米諸国は支援してくれると思うか?あるいは、私たちは見捨てられたのだろうか?あなたの意見を聞かせてくれ」と問われました。
私の答えを真剣な眼差しで待っている彼らの目を見ながら、心が張り裂けそうでした。私は心からの願いを込めて「支援は届くと信じている」と答えました。心からそう願って、そう答えました。
15:24 (火)
昨夜も約1時間にわたってドローン攻撃があり、激しい迎撃音が続いていましたが、今は穏やかな朝を迎えています。(着弾の有無はまだ分かりません。)3月2日に一夜で十二名(うち五名は子供)の民間人死者を出すドローン攻撃を行いながら、その三日後にこれほどのドローンを撃ち込むとは、テロリストの所業以外の何ものでもありません。
18:27 (火)
先日のタッカー・カールソン氏とのインタビューの最後の部分で、プーチン氏は自分をまるでキリスト教世界の守護者でもあるかのような話し振りをしており、本当に見るに堪えないものがありました。
ご存知のように、ロシア正教会(正教会全般)では、「正教会だけが初代の使徒から正当な使徒性を受け継いだ唯一の“本物のキリスト教”であり、プロテスタントはおろか、カトリックでさえもキリスト教の亜流だ」と考えています(彼らははっきりと「正教会の外に神の救いはない」と言います)。
ローマ帝国が東西に分裂した後、西ローマ帝国がゲルマン人の手に落ちて実質的に消滅し、東ローマ帝国(ビザンティン帝国)が「第二のローマ」として残り続けることとなりました。そこではコンスタンティノープルを中心とした正教が維持されました。
しかし、第二のローマたるコンスタンティノープルも1453年にイスラムによって陥落させられました。しかし、その頃にはすでにモスクワにも正教の総主教庁が建てられており、正教会の総本山ともいうべきコンスタンティノープルが陥落した以上、モスクワが正教会の中心地となった、とロシア人は考えました。
政治的にも第二のローマが陥落した以上、モスクワこそが第三のローマであり、ロシアこそが第三ローマ帝国(最後にして唯一のローマ帝国の継承国)だというのがロシア人の歴史観の中にあり、それがプーチン氏の世界観(ルスキー・ミール)の根幹にあると考えられています。
そして、プーチン氏は「第三ローマ帝国」としての元来の版図を復活させ、そこにルスキー・ミール(ロシア語、ロシア正教、ロシアの歴史を共有する世界)を定着させるのが自分の使命だと自負しています。その枠組みの中でウクライナ侵攻をしているので、プーチンは少々の「合理的な理由」では停戦に応じるはずがないと思います(すでに何十万人のロシア兵を失っていてもなお侵攻をやめようとしないところに、普通の合理性では説明のつかない原理で動いている事実が見て取れます)。
このように考えると、この「かつてのロシア帝国の版図と文化圏を復活させる」ツールとしてのロシア正教があることが分かります。つまり、そこには「イエス・キリストの教えがどう」だの「神との個人的な関係がどう」だのということは本当にどうでも良いことになっています。
ルスキー・ミール実現のための宗教的な結束のツール以上でも以下でもありません。それどころか、ロシア人全体に今の戦争を「聖戦」として捉えさせるための道具ともなっています(そのために「ロシア人であることはロシア正教徒であること」というのを徹底的に浸透させようともしています。非正教会の活動は大幅に制限されています。)
今のキリルが指導するロシア正教は、本来のキリスト教とは似て非なるものに変容していると私は考えています。さらに指摘するなら、ロシア正教(ウクライナ正教もそうですが)は、正式な正教会の信条を教える「オフィシャルな正教」と、一般民衆が信仰している「民間正教」の二重構造になっているということです。
「オフィシャルな正教」は比較的聖書的な教えを持っており、プロテスタントの教えとの共通点も実は非常に多いのですが、一方の「民間正教」の方は聖書の教えが実質的には無視されており、土着の宗教や迷信に、正教会独特のイコンや聖人崇拝などの非聖書的な教えが融合した実に独特の宗教形態をなしており、そこには本来のキリスト教からかなり離れた姿があります(本来なら、オフィシャルな正教の教えを受けている司祭たちが民間正教を信じている民衆に聖書教育をするべきなのですが、ほぼそれはなされていないのが実情です)。
しかも「民間正教」では聖書が体系的に教えられないため、正教会の指導者がそのような宗教的リテラシーのない民衆を扇動したり誘導したりすることが容易であるように思われます。
このような宗教的特質を利用して、プーチンが「キリスト教の守護者」の顔でロシア全体を「聖戦」に誘導し、ルスキー・ミール実現のために宗教と軍事力をフルに活用しながら自らの野望を成し遂げようとしていると見ています。
7:17 (水)
今また多くのシャヘド(攻撃ドローン)群が飛来しており、けたたましい迎撃音がなり続けています。着弾がありませんように
18:21 (水)
お祈りありがとうございます。
今、朝を迎えることができましたが、早朝から迎撃音がなっています。
連日の攻撃なので、特に小さな子供さんを持つお母さんたちは眠ることができず、心身ともに疲労困憊しています。3月2日の攻撃であれだけの民間人死者を出したロシア軍は少しは反省するかと思いきや、逆のようです。
ロシア軍が恐ろしいのか、戦争とは本来このような人間性を失わせる恐ろしいものだということなのか、とにかくこの状態が早く収束することを祈るばかりです。
21:32 (水)