ハラリ氏インタビュー〜アモス書

テレビ朝日で、今、世界でもっとも注目されているイスラエルの歴史家、 のインタビューが放映されました。 でご覧いただけます。約23分程度です。信仰的な立場は私たちとしては同意できませんが、とっても示唆に富んだお話しでした。僕は彼の本を愛読しています。

彼の話を聞きながら、アモス書のストーリーを思い起しました。今から2800年前、北王国イスラエルは繁栄を極めていました。

その中で、南王国ユダの羊飼いのアモスが、北王国で、神の厳しいさばきを預言するように召されます。

そこで神は様々なわざわいを送ることによって、民を回心させようとします。そこではたとえば、「わたしは……疫病をあなたがたに送った……それでも あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった」という、主の嘆きが記されています (4:10)。

現在のパンデミックにも神の招きを見ることができます。そこでアモスは、「主 (ヤハウェ) を求めて生きよ。そうでないと、主は火のように、ヨセフの上に激しく下る」(5:6) と警告しています。

ハラリ氏も、現代のパンデミックの危機から、独裁政治、監視社会の訪れの危機があると警告しています。

アモス書でもっとも感動的なのは、約30年後に起ることになる北王国イスラエルの滅亡の悲惨を正確に描写しながら、そこからの回復をも預言していることです。

9章11、12節で、主は、「その日、わたしは 倒れているダビデの仮庵を起こす……これは……わたしの名で呼ばれるすべての国々を、彼らが所有するためだ」と語っておられます。

人の目には小さく見えるダビデ王国の再興がイエス・キリストにおいて始まることが預言されているのです。そして、このみことばは、異邦人がユダヤ人の律法を守らなくても神の民に加えられることが確認された使徒の働き15章のエルサレム会議で引用されます。主の兄弟ヤコブはこのアモス書9章11、12節を引用しながら、「異邦人の間で神に立ち返る者たちを悩ませてはいけません」(使徒15:19) と言って、ユダヤ人が異邦人をそのままで神の民に受け入れるように迫りました。

それは、神の民が全世界に広がる契機になりました。今のパンデミックを通して、世界中の人々の、自由な意思による助け合いが課題になっています。それができないときに、悲惨な独裁化、監視社会が到来します。北王国滅亡を告げたアモスが、神の民が全世界に広がることの預言をしているというのは興味深いことです。

このパンデミックは、キリストによる愛の支配が広がる契機にもなり得ます。そのような視点で歴史を見ることができれば幸いです。

ご希望の方には、アモス書の改訂版解説(A4で18頁)をお送りします。一昨日ある神学校で、それをもとに2時間でお話ししました。