「神の御前でのためいき」

あるとき私は、原因不明のしゃっくりが一週間近く続き、「息が詰まる」苦しみまで体験しました。そして、「楽に呼吸できるのは、何という恵みか……」と実感できました。その秘訣は、「息を吐く」ことにあります。同じように、人は、しばしば明日の希望が見えない中で、「息が詰まる」体験をしますが、回復の始まりは何より、「絶望感を吐き出す」ことにあります。
 しばしば、「ためいきをついたら、幸せが逃げる」と言われることがあります。それは、暗い気持ちが人を遠ざけるという意味で本当でしょう。しかし、ためいきとは長く息を吐き出すという行為で、極めて自然な癒しのプロセスではないでしょうか。
 神は、あなたの「ためいき」を喜んで引き受けてくださいます。そればかりか「御霊の初穂」を受けた者は、世界の苦しみを身に引き受けて、「心の中でうめく(ためいきをつく)」と記され、そのとき、御霊ご自身がことばにならない「うめき(ためいき)」によって父なる神にとりなしてくださると約束されています(ローマ八・二二〜二六)。
 神の御前でため息をつくことができるというのが真実な祈りの始まりです。自分の気持ちを自分で整理しようとすると心が空回りを起こし、しまいに病んでしまいます。御霊に導かれたことばを用いて、絶望感を主に訴えることを学んでみてはいかがでしょう。


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