あとがき
このつたない本をお買い求めくださり心より感謝申し上げます。著者としましては、それぞれの詩篇の解説以上に、詩の翻訳文自体を繰り返し味わっていただけることを心より望んでおります。翻訳にこそ、主への祈りが積まれ、また、主にあっての時間と労力が何よりもかけられているからです。そして、ひとつひとつの交読文や賛美歌が、私たちの教会の礼拝や祈祷会の生きた交わりの場から生まれているということをご理解いただければ幸いです。
ここに記された祈りと賛美が、おひとりおひとりの祈りと賛美の生活のためにお役に立てていただけるなら、そして、そこにおいて私たちの主イエス・キリストとその父なる神の栄光をあがめることにつながるならと、心より願っております。
この本をお買い求めの上、ここにある翻訳詩篇やドイツコラールが礼拝その他の諸集会でお用いいただけるなら幸いです。一冊お求めの上で、交読や賛美のために必要な箇所をコピーしたり、またパワーポイント等に書き換えたりすることに用いていただくことに関しましては何の異議もございません。主の集会のために用いていただけるなら望外の幸いです。
最後に、この私を励まし、出版を励ましてくれた愛する妻洋子に、またこれらの詩篇の翻訳をともに交読し、ドイツコラールの訳をともに賛美し、様々な助言をくださった立川福音自由教会の愛兄姉に心より感謝するとともに、この本をお献げします。
また、今までこの私を信頼して、心の痛みを分かち合ってくださったおひとりおひとりに感謝をいたします。そのおひとりおひとりを通して、私は、人の心の不自由さ、繊細さ、不思議さ、豊かさなどを知ることができました。それぞれの方との出会いがなければ、この本は生まれることはありませんでした。また、長年にわたって、この者の牧会カウンセリングに関して貴重な助言をくださった工藤信夫医師に感謝申し上げます。
また私の心の友となり信仰の導き手となってくださった諸先輩、友人に心より感謝申し上げます。またこの出版のために労してくださったいのちのことば社の皆様に感謝申し上げます。
この本を書き上げたとき、マザー・テレサが苦しんだ信仰の暗夜のことが話題になり始めています。だれからも尊敬されていた信仰の偉人が、しばしば、神を遠く感じていたというのは、何かほっとさせられることではないでしょうか。しかし、それこそ、詩篇の祈りであり、信仰の原点です。 自分を信仰深く見せなければならないようなカルチャーは、本当に疲れます。改めて、詩篇には神を遠く感じるときの祈りが満ちていることを覚えたいものです。息苦しい信仰生活から解放されるためにこの書が用いられるなら、本当に感謝です。