行方不明の方その後〜詩篇109篇

私の賛美である神よ。
沈黙しないでください
……
私は苦しみ そして貧しく
私の心は私のうちで傷ついています
私は 伸びて行く夕日の影のように去り行き
いなごのように打ち払われます
私の膝は断食のためによろけ
肉は削げ落ち 瘦せ衰えました。
……
私の神 主よ 私を助けてください
あなたの恵みによって 私をお救いください
詩篇109篇1、22、23、26節

以前からお祈りいただいていた岩手出身の八王子の大学生、KSさんのことですが、ご遺体が雲取山東側の滝の下で発見されたと、先ほどお父様からご連絡をいただきました。(2月21日行方不明届)

Kさんはモノレールでよく立川に来て、そこでアルバイトをしたり、カフェで読書をしたりしておられたようです。

所持品から明らかに誤った教えの影響を受けていることが明らかでしたのでお父様が のご協力も得て、カルト教団に入ってしまったことを探っておられました。同時に携帯の位置情報から雲取山に登ったことが確認されたようなので、そこで滑落死したかもしれなということで警察と山の関係者のご協力を得て捜索を続けてきました。

つい先日、沢登りをしておられた方が身元不明者としてのご遺体を発見したのとのことで、昨日になりKさんではないかとのことで、岩手のお父様にご連絡がありました。

これからDNA鑑定に回され、確認に一か月あまりかかるとのことですが、お父様は本人に間違いがないと言っておられます。

先週、お父様が再び当教会にお越しくださり、ともにお祈りをしておりました。

その翌日に、ご遺体が発見されたようなので、神様が発見させてくださったのではないかとお父様がお電話をくださいました。

冒頭のみことばは、現在のご両親のお気持ちを現わしているように思います。彼が偶像礼拝を嫌っておられるということで、ご葬儀のことでもご相談を受けておりますが、当面、ご遺体は警察預かりとなっているので分かりません。

Kさんは聖書をすべて読んでおられたようです。聖書の最初のページに以下のように記されていました

俺の次の任務はこうだ。聖書を全部読む、必要な部分は徹底的に刷り込む
山に登って それを宣言する それを唱える

昨年11月27のメモに次のように書いてありました

この国は本当に滅びてしまうのだろうか。この国が今のままで良いはずはない。この国の一体どこに、平和が、愛が、優しさが、霊的な幸せ、憐みがあるだろうか?一番かわいそうなのは下の世代だ……
すべてが滅んでしまうのだ。何故か?この国がすべて偶像にひれ伏し、それに加え、上の世代が、年長者たちが生命の道へと行くのを妨げてきたからだ
……
だとするなら、恐れないで、この国が滅んでゆく様を黙って傍観するべきではないだろうか。みことばにそう書いてあるのだから……

他にも多くのことが書いてあり、判別できないことも多々あります。確かに誤った教えに惑わされていると思いますが、彼自身は、ご家族のことをとっても大切に思っておられ、この世界が滅亡に向かうのを悲しんでおられました……

そして、この世界の救いのために、何ができるかを真剣に願い、そこで何らかの霊のお告げを受けて、山に登ったのだという可能性があります。

私たちは何も分かりませんが、愛に満ちた天のお父様は、Kさんの純粋な思いを受け留めてくださっておられるのかと期待します。

本当に、悲しいのは、彼がインターネットを通して、多くの教えや古代文書に触れ、また聖書を真剣に読みながら、私たちの教会または他の正統的な教会にたどり着かなかったということです。

お父様には、Kさんが真剣に捜し求めていたことを一緒に考えることが、彼が望んでいたことではないでしょうかと申し上げました。

彼の心の中にあった純粋な思いを受け止めることこそが、彼の死を無駄にしないことだと思わされました。

多くの人々が真理を求めています。しかし、冒頭のことばにあるように、詩篇の祈りにあるように、神に対して正直に自分の気持ちを打ち明けるようなプロセスを経ることができるなら、イエスにある救いに出会うことができるのに……とふと思います。

私たちもいろんな意味で発信を続け、一人でも多くの方々に、自分の葛藤を全能の神に正直に打ち明けるという祈りをご紹介できたら……と思います。